ダヴィンチで全摘手術、埼玉 ラムチー

前立腺がん治療を経験された方の体験談 埼玉 ラムチー さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

今年(2018年)の6月に生検を受け、結果はT2c、Gスコアは6~7.「まだお若いから?(小生今年で64歳ですが…)手術で全摘した方が良いでえすよ…」との医師からの甘い?言葉を受け、埼玉県内の某病院にてロボット手術を受ける。

 PSA:5.9
 グリソンスコア:7
 陽性率: 25%(生検 12本中 3本陽性)右1本・左2本
 T分類:T2c
 診断時年齢:63歳
 触 診: 異常はありましたか?生検結果以外は何も言われませんでした

あなたは、どの治療を選びましたか?

「まだお若いから…?(小生今年で64歳ですが…)手術で全摘した方が良いでえすよ…」との医師からの甘い…?言葉を受け、埼玉県内の某病院にてロボット手術による前立腺全摘手術を受ける。SNSなどでダビンチ手術が良いとの評判もあり…迷わずこの手術を選びました。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

男性機能は左右両極に癌があり前立腺の外に近い位置にあるとの事で切除。更に小生の前立腺摘出に際しては、各臓器と前立腺の「癒着」が激しかったためロボット手術でありながら手術が難航したとの話を術後、医師より受ける。その為本来ならば術後5日程度で外されるカテーテルは11日後に除去。現在カテーテル除去後11日目であるが、日中絶えず尿がポタポタと股間から無意識にひたたり落ちる現状にある。夜間は目が覚めるとスムースにトイレで排尿出来るのですが…。

一つ気がかりなのは退院に際し医師より「絶えず尿がポタポタと股間から無意識にひたたり落ちる方に…残念ですが…尿失禁が一生改善されない方に多く見られます!」とのショッキングな言葉を受ける…。実際、骨盤体操の最中にも尿がポタポタと股間から無意識に漏れるのを今も感じる。どなたかこの件に関し情報をお持ちの方はお知らせ頂ければ幸いです。


埼玉 ラムチー

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

 

 

 

 

 

 

重粒子線治療か、小線源か? 東京 Y

前立腺がん治療を経験された方の体験談 東京 Y さん

がんが見つかって、どんな治療を勧められましたか?

私は、元々血液検査で肝臓などの数値が悪化傾向であるため、消化器内科に通っていました。2018年の2月、肺や消化器系のCT、MRI検査を受けるついでに、念のためPSA検査をしたところ5程度と高かったため、泌尿器科でMRI検査を勧めらました。

MRIの結果は、癌の疑いが見られるとされ、PSAも7程度と上昇していることから3月に生検を受けました。5年以上前にPSA検査をしたときは1以下であったため、油断してそれ以来検査していませんでした。ちょっと後悔しています。
生検の結果は、やはり前立腺がんでした。このあと骨シンチなどで転移を調べます。

主治医の先生は手術を勧めてきました。事前に勉強していたとおり、手術なら再発時に放射線などの選択肢があるが、といった説明でした。知らない人はそれで納得してしまうのだろうなと思いました。(悪い先生ではなく、こちらから質問すれば正直に答えてくださいましたが…)これから、まずは転移がないという前提で、どの病院で診ていただくか検討したいと思っています。低リスクでしたら東京の病院でもよいかなと思っていましたが、生検の結果を受け、気持ちとしては滋賀医大に大きく傾いています。

 PSA:7
 グリソンスコア:3+4=7
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:T2c
 診断時年齢: 54歳
 触 診: 異常はありましたか?

あなたは、どの治療を選びましたか?

まだ、治療前です。

小線源治療を受けたいと思っていますが、最初から小線源だけに絞ってしまうのもどうかと思い、自分を納得させるためにも、一度重粒子線の話を聞いてみたいという気持ちもあります。重粒子線は、それが当たったところへの効果は高いのでしょうが、ビームが絞られている分、正確に患部全体に当てるのは難しいのではと思っています。その辺りをどう考えているのか確認したいという気持ちです。
実際に、重粒子線についてセカンドオピニオンを聞いてきました。簡単にまとめましたので、ご参考までにお送りします。

重粒子線は、X線よりもエネルギーを患部に集中させやすく、その細いビームを縦、横、深さ方向に走査して患部を塗りつぶすように照射します。結論からお話しますと、やはり照射位置の精度が特別に高いわけではないようで、またIMRTなどと比べて治療成績が格段に優れているわけでもなさそうでした。メリットとしては、IMRTより照射回数が少なくてよいという点と、直腸などの副作用が少ないという点と理解しました。それでも治療を希望される方は多いそうで、現在は初診が3ヶ月待ちだそうです。

◎実績、PSA非再発率は?
PSA非再発率は、中リスクの場合、5年で90数%、10年で8割程度、高リスクも大きくは変わらない。

◎副作用の発生率は?
他の方式と比べて膀胱は大きな差はない。直腸は若干良い。

◎ホルモン療法は前後それぞれどの程度の期間?
中リスクでは6ヶ月。4ヵ月後から重粒子線治療開始。
高リスクでは2年(たぶん中リスクと同様に4ヵ月後から重粒子線治療開始と思われる)
ホルモン療法については、前立腺を縮小させる効果が見込めることと、過去のX線治療でホルモン療法併用が有効とのエビデンスがあるため適用している。

◎位置合わせの方法は?
予め決められた位置に体を強く固定した後、レントゲン撮影を行い位置を確認する。位置がずれていた場合は、体を動かして調整する。照射装置側での調整は無し。事前に計算した位置に前立腺がある前提で照射を行う。

◎照射方向は?
周囲の骨との位置関係を考慮し左右の水平方向から照射する。1日毎に右、左、交互に照射を行う。

◎照射範囲はどのくらいのマージンを取っている?
外側に数ミリのマージンを取っている。浸潤の状況で若干の調整はある。

※ まだ最終的な治療方針は確定しておりませんが、中リスクなので、小線源単独か、外照射併用のどちらかになりそ
うです。


東京 Y

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

全摘後PSA再発│岩手県立中央病院 及川

前立腺がん治療を経験された方の体験談 岩手、及川 さん

がんが見つかったきっかけは?、
また、どんな治療を勧められましたか?

癌発見のきっかけは市が実施している前立腺癌検診、PSAは43.8。
触診と生検後、前立腺癌と確定宣告されて、手術対応できる病院を紹介され、各種検査を経て全摘手術を勧められ、同意した。

 PSA:43.8
 グリソンスコア:9
 T分類:T3a
 診断時年齢: 57 歳
 触 診: 異常はありましたか? 触診で右側が固いと診断された。

あなたは、どの治療を選びましたか?

全摘出手術
H24. 5月:岩手県立中央病院で全摘出手術。PSAは0.126に。
H24.10月:PSA0.692に上昇し再発を告知される。
 リュープリンのホルモン療法開始、PSA0.131に。
H25. 5月:PSA0.179に上昇カソデックス服用開始。

救済放射線外照射治療
H25.5月:PSA0.286に上昇、放射線療法開始。12月まで35回、総線量65.6Gy。
H26. 1月:PSA0.071に。
H27.4月:PSA0.226に上昇、カソデックスを中止、オダインに切換え、PSAは0.1台推移。
H27.8月:PSA0.273に上昇。オダイン中止、タキソテール点滴開始、H29.1月まで11回。

CRPC治療薬
H29.3月:ザイティガ服用開始。PSA0.008をキープ、同10月ザイティガ中止。

抗がん剤による治療
H30.4月:PSA0.024。同5月、PSA0.041に上昇中、次回を診てタキソテール点滴再開予定。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

手術の説明時に勃起神経を切る説明があり、術後は男性機能なし。


岩手、及川

及川さん、インタビューへの回答 ありがとうございます。
一部経過に記述を追加させていただきました、ご了承ください。
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

Re:トモセラピーについて教えてください

トモセラピーは「従来のIMRTより高精度で安全性が高いのだろうか?」という質問が、前立腺癌に関するメーリングリストに投稿されていました。なぜそう思ったのか、その情報ソースが気になり調べてみました。
[関連記事] トモセラピーかダヴィンチか?

投稿は次のようなものです

トモセラピーについて、体験された方、検討された方は教えてください。
通常のIMRTでは、一度位置決めをしたらそのまま終わりまでその位置のままで照射を繰り返すが、トモセラピーでは、照射の都度、位置決め修正を行うので、他の臓器への悪影響を減らせるということのようです。※
私は、従来のIMRTよりも安全性が高いのであれば、この治療を受けようかと思いますが、どんなものか情報をおもちのかたは是非教えてください。
  <質問された方に転載を許諾していただきその抜粋を掲載>

トモセラピーの動作

まず、トモセラピーとはどんなものが、これを見ていただきましょう。

Accuray社による、トモセラピーを説明するビデオ


AccurayInternational 2015/06/04 に公開

CTのようなボディーに照射部が内蔵

放射線を長い矩形に整形し、照射部(Ring gantry)が体のまわりをくるくると回転しながら照射しますが、同時に寝台は照射システムの輪の中に吸い込まれるように入って行きます。

AccurayInternational 2015/06/04
ビデオでは背骨に照射していることからわかるように、非常に大きな照射野が一度で得られることが最大の特徴です。(TomoHelicalの動画を御覧ください、TomoDirectは関係しません)、美しい映像を見ていると、どんな病気でも根治させてしまうように感じますね。

トモセラピーの特徴は

放射線を整形するのは「バイナリー・マルチリーフ・コリメータ」と呼ばれる装置で、まるで櫛のように一直線にリーフが並ぶ、その制御は単純にオープンかクローズで、これにより放射線を長い矩形に整形し回転照射させる。それと同時に照射中の寝台をシステムの奥に送り込むことで、スライスされた照射の合成により自在な照射野を作り出すことができる。

AccurayInternational 2015/06/04

トモセラピーの照射中の寝台の移動は見るものに凄さを感じさせるが、動作原理上必要だから移動しているにすぎない。これに対し通常のIMRT(及びVMAT)では照射野を長い矩形ではなく、ターゲットに合わせて自在な形に放射線を整形するマルチリーフ・コリメータであるため、照射中に寝台の移動させるという動作は必要はない。照射部を回転させながら、自在な形に放射線を整形するという複雑な動作での照射を実現している。


IMRTなど通常の外照射システムのコリメータ。トモセラピーのような長い矩形ではなく、自在な形に放射線を整形できる


およその動作原理がおわかりいただけたと思います。では本題の結論から、ネット上で、トモセラピーだけが優れたシステムのように紹介されている件ですが、その内容を確認してみたところわかったのは
トモセラピーの記事で比較していたのは、旧世代のIMRTでした。高精度の位置決めを行い、他の臓器への悪影響を減らすのはIGRT(画像誘導放射線治療)の特徴であり、現在主要な医療機関の外照射治療であれば普通に画像誘導下でIMRTを行っています。トモセラピーもIMRTの一種であり、トモセラピーという特定のシステムにこだわる理由はあまりないということ。

※ 詳しくは以下を御覧ください。投稿された方が参照したいくつかの記事の内容を確認しました。

参照記事1:ウィキペディア トモセラピー

wikipedia トモセラピー
従来の放射線治療では患者の皮膚表面に記したマーキングを頼りに照射を行なっていたため、各回の治療毎に照射される部位の誤差が大きかったが、トモセラピーではCT(Computed Tomograpy)撮影を各回の治療前に行なって照射位置を修正して、高い精度で放射線治療を行なうため、放射線による正常組織の障害を低減することが期待される。

 
マーキングを頼りに照射していたのは、画像誘導機能を持たない1、2世代前の古いシステムです。「wikipedia トモセラピー」の履歴を調べてみると、2013年7月23日にはすでにこの記述がありました。当時は古いシステムも稼働していたのかもしれませんが、約5年経った今でも古い記述がそのまま残っているため、現実とのズレが生じています。
→ 履歴: wikipedia トモセラピー 2013年7月23日 (火)

患者の皮膚表面に記したマーキング

実は、現在でも放射線治療では、固定具と体の位置関係の再現性を確保するため、腰の両側などにマジックで目印をつけ、照射時の位置合わせに使います。しかしこれだけでは不十分で、腰骨を一定の位置に合わせた場合でも、体の中心部にある前立腺は、直腸や膀胱などの日々の動きによって位置や形が変化しますから、照射直前に放射線治療システムに内蔵されたレントゲンやCTによって位置を確認し照射位置の補正を行います。これがIGRTと呼ばれる画像誘導放射線治療で、トモセラピーだけでなく、最近のIMRTでは普通に行われているはずです。

参照記事2:がんサポート:強度変調放射線治療の専用機

がんサポート:検査と照射を同一機械で行いピンポイント治療を実現させた「トモセラピー」
「たとえば、7方向から放射線のビームを照射する場合、CTの画像から線量を計算して照射計画をたてるのですが、実際には『計画どおりがんに照射されるだろう』という前提で行っているだけなのです」と浜さんは指摘する。皮膚に照射位置をマークしても、体内の臓器は毎回1.5~3センチぐらい位置がずれる。
体内の臓器やがんの位置が正確に把握できなければ、せっかくの照射計画も絵に描いた餅。不要な部位にも放射線があたる可能性は否めなかったのである。
→ がんサポート:強度変調放射線治療の専用機

 
この場合の、”実際には『計画どおりがんに照射されるだろう』という前提で行っているだけ”というのも、画像誘導の機能を備えていない1、2世代前の放射線治療システムのことを言っています。

皮膚に照射位置をマークしても、体内の臓器は毎回1.5~3センチぐらい位置がずれる。

さらに、ここでは「1.5~3センチぐらい位置がずれる」と言っていますが、前立腺がクルミ程の大きさだというのに、1.5~3センチもズレたら一体何に照射しているのかわからなくなりますから、必要とされる照射範囲よりも、一回り大きい照射を計画し、常に前立腺が照射野からハズレないようにするわけです。(当時でも、同じ治療室内にCTを設置して精度の向上させる対策をされていた医療機関もあると聞く)、このため周辺の臓器にも必要のない照射が行われることになり、放射線障害が起きます。

現在主要な医療機関の外照射治療では、皮膚のマーキングでは「毎回1.5~3センチぐらい位置がずれる」という問題に対して、照射直前にシステムに内蔵されたレントゲン(あるいはCT)などにより前立腺の位置を撮影し、体の位置を寝台ごと移動して照射位置を補正する、というのが当然のように行われているはずです。これにより位置のズレは数ミリ以内になるはずです。この点はトモセラピーでもIMRTでも同じです。

ページ内からこの記事が書かれた日付を探すと、江戸川病院放射線科部長(2011年4月)となっています。江戸川病院は早くからトモセラピーを実施していたことで有名な病院です。2011年では、画像誘導放射線治療(IGRT)下のIMRTが、いまほど一般的でなかったと思われますから、しかたのない記述かもしれませんが、ややミスリードを誘う記事であるかもしません。

参照記事3:姫路医療センター トモセラピー

国立病院機構姫路医療センター  平成29年4月以降の記事
放射線治療装置とCTが一体になっており、治療の度にCTでがんの位置確認、数mmの位置補正を実施できるため照射部位にずれが少なく、正確にがんへ照射することができます。
→ 姫路医療センター トモセラピー

 
これは、その通りです。放射線治療装置と同じ部屋内にCTを設置して画像誘導を行う医療機関もありますが、放射線治療装置に内蔵されているコーンビームCTで撮影するシステムのほうが一般的です。治療は、通常週末を除き週5回行われますが「治療の度に」とは毎日の治療の直前にという意味でしょう。ただしこの記事の内容は、トモセラピーに対してだけ言っているのではなく、通常のIMRTシステムでも同様です。

IMRTで画像誘導(IG)はいつから実施されたか?

調べてみると、例えばNovalis Txを例にしますと、2008年4月の記事にNovalis Txが紹介されていましたから、少なくとも江戸川病院の記事が書かれた2011年にはすでに稼働していたと思われます。しかし、あまり一般化していなかったのかもしれません。以下の記事を参照してください。

Novalis Tx  2008年4月の記事
■治療精度の向上
従来のX線画像と赤外線による患者位置決め装置「ExacTrac X-Ray」に加え,CT画像撮像装置「On-Board
Imager」を搭載したNovalis Txは,病変部を3D画像として取り込むことで,画像誘導による精確な位置決めを行う。
→ Novalis Tx  2008年4月

 
IMRT 前立腺癌の治療の説明ビデオ
Varian Truebeam IGRT

Saint Joseph Mercy Health System 2012/06/04 に公開
Varian TruebeamによるIGRT :放射線治療装置に内蔵されているコーンビームCT(緑のビーム)で撮影し、照射計画との誤差を寝台を移動して調整後、赤のビームで放射線治療

TruebeamによるIGRTのイメージビデオは通常のIMRTではなく、VMATによる回転照射です。VMATはIMRTよりも短時間で照射が完了するためより高精度の照射が可能となっています。次のelekta versa hdによるアニメーションもVMAT。IMRTからVMATへというのが治療システムの進化です。

elekta versa hd animation

Francisco Herrera 2014/09/01 に公開
Elektaのシステムによる放射線治療 VMAT

記事がいつ書かれた、比較対象は妥当なのか?

これらからわかるのは、トモセラピーに比較しているのは、1、2世代前の古いシステムであるということ、これらの記事は古い記事ではあるものの、その時点では高精度なIMRTも運用を始めていたはずです、それには触れず、トモセラピー以外はすべて精度の低いシステムであるかのような説明はやや不適切だと思われます。自分の病院に導入されたシステムがいかに優れたものであるかを示すために書かれた紹介ページということもある、としてご覧になったほうが良いよいと思います。

現在、主要な医療機関では、トモセラピー以外にも、画像誘導(IG)を使ったIMRTシステム、さらにはその進化型であるVMATが普通に使われているはずです。もし、前立腺癌の初回治療に画像誘導を使わない医療機関があったとすれば、治療に対する本気度が足りない病院です。
参照:→ 多根総合病院 放射線治療装置について

毎日の照射前に、画像誘導で位置合わせをしてから照射する、これはトモセラピーでも通常のIMRTでも同じです。CTは複数にスライスした画像の合成によって全体の画像を得ますが、トモセラピーもCTと同様に独特のコリメータによって整形された長い矩形のビームの照射を回転にとともに変化させ、その総和が前立腺全体への照射となるため、照射が高精度でないと成立しない技術です。これに対しIMRTは、多数の方向から、マルチリーフコリメータによって前立腺の形状に合わせた照射を行い、それをを合成したものが全体の照射となります、これも高い精度が必要とされます。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、前立腺を帯状にスライスした形状の照射を回転しながら行うのがトモセラピー、前立腺の形状に合わせた照射を複数の方向から行うのがIMRT。照射方法に違いがありますが、どちらもIMRTです。

精度が同程度なら外照射の治療の効果は総照射線量で決まる

精度が同程度の外照射システムであれば、治療の効果は総照射線量によって決まるはずです(1回あたりの照射線量が同じと仮定した場合)
副作用は、高精度のシステムを使って、ぎりぎりまで照射野を絞れば、少なくなりますが、病期によって被膜外浸潤にも対応しようとすれば、照射野を広めに取る必要があり、副作用は大きくなります。よって、システムの違いより照射計画の違いのほうが副作用に影響すると思われます。

私が外照射治療を検討したとき、トモセラピーも検討しましたが、結局トモセラピーにこだわることなく通常の外照射システムで治療(実際には小線源併用)を受けました。

インターネットの情報でどれが正しい情報なのかを見分けるのは難しい。書かれた時から、時間が経過すると、現状とずれてしまうこともあるのはしかたのないことですが、多くの情報の中から、確度の高いものを探すには専門的知識が必要なのかもしれない。しかし癌と告知された時、そのような知識を持っているはずがないので、多くの記事を読みその中から妥当と思える情報を探すのは容易ではないが、自分で探し考えることで前立腺癌への理解が深まり、どのような治療をすべきか自ずと決まるかもしれません。

ichi

この春に治療、重粒子線に期待 大阪MH

前立腺がん治療を経験された方の体験談 大阪 MH さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

会社の健康診断の有料オプション検査で受けたPSA が4.25でその後、精密検査としてMRIを受けたが異常なしとの事で3年間経過観察でした。その間、3ヶ月に一回、PSAを取り、徐々に数値が上昇し、去年10を超え、14.3まで上がりました。それで昨年末にMRIを再度撮り、影が見つかったという事で年末に生検をしたところ、12箇所取った最後の一個にガンが見つかりました。今年に入って転移の有無を調べるために、骨シンチグラムと造影剤CT検査を受けて26日に結果を聞きに行きます。その時に治療方針の話になると思います。

 PSA:14.3
 グリソンスコア:7
 陽性率:8.3 %(生検 12本中陽性 1本)
 T分類:
 診断時年齢:65 歳
 触 診:

あなたは、どの治療を選びましたか?

治療はこれからですが、先生は切除を勧められていますが、知人から重粒子線治療の話も聞きました。今週、厚生労働省が前立腺ガンの重粒子線治療を4月から保険適用するというビッグニュースがありました。保険適用という意味は金銭上の負担が大幅に減少するという事以外にその実績が認められた、との事でもありますよね。また、地元大阪に初めて重粒子線治療センターが春に力という話もあり、ちょうど良いタイミングかなと思っています。

大阪 MH

その後のご連絡をいただきました

大阪MH 2018年3月1日 16:43

上の投稿をした大阪MHです。
転移は無しとの検査結果でした。また、グリソンスコアは7でした。
そこで切除にするか、重粒子治療にするかとなりました。私のPSAでは小線源は受けられないとのことです。大阪重粒子センターに期待したのですが、開院は3月、治療開始が10月とのことです。10月まで待てるのかというのと、その後の転移時の再治療と切除による尿漏れリスクを考えて、最終的に切除手術をすることに決めました。尿漏れのリスクは個人差が大きいという事で、手術前から必要な筋肉の訓練を始めることにしました。入院手術は2か月後ということで、それまでの自由な生活を楽しむことにしました。先生曰く、ダビンチで手術をするので退院後すぐにゴルフもできるよ、という事でしたが、本当でしょうか。退院の2日後と2週間後にコンペがあり、エントリーしています。

大阪 MH

 


再度のご連絡 ありがとうございます

最終的に切除手術をすることに決めました、とのこと。

みなさん考えかたはそれぞれ、いろいろ調べ迷われた上での決断でしょうから、尊重すべきことだと思っていますが、2点補足させていただきます。

私のPSAでは小線源は受けられない

とありますが、これはMHさんの受診している病院ではPSA10以上の患者には小線源治療をおこなわないということなのでしょう。実際に多くの病院ではPSA10未満とか、グリソンスコア6,あるいは7迄と決められているようです。小線源治療の大きな問題はまさにここ、小線源によって高い線量を局所に与えることができれば、高リスクであっても根治可能なのですが、その技術が多くの病院にまで広まっていないため、いまだ低リスクと一部の中間リスク迄としている病院が多いのです。現状で、小線源治療を受けようとすると、高リスクであっても小線源治療を実施(外照射併用を含む)している病院を選ぶほかありません。

先生曰く、ダビンチで手術をするので退院後すぐにゴルフもできるよ。

ダビンチについては、「癌など手術で摘出するに限る – 前立腺全摘」のページで書いていますが、「ダビンチだから大丈夫」というようなことを医師に言われると、ダビンチが夢のような治療法に感じますが、摘出手術には違いありません。手術療法の尿漏れは、退院時に良くなっている方から改善するまでに数ヶ月を要する方など様々と聞きます、また尿漏れが止まった方でも、力を入れた時にはわずかに漏ることもあると聞きますから、実際のゴルフには尿漏れ吸収パッドが必要になるのではないでしょうか。


インタビューへの回答 ありがとうございます

 
調べてみると、厚生労働省は17日、4月から前立腺がんに公的医療保険を適用する方針を決めた。というニュースがありました、これは前立腺癌治療に関する大きなニューですね。また、地元大阪に初めて重粒子線治療センターが春に、というのはこのことですね。→2018年に大阪の都心部で最先端の重粒子線がん治療がスタートします|大阪重粒子線センター

粒子線治療の保険適用拡大 前立腺と頭頸部のがんに

 厚生労働省は17日、がん粒子線治療について、4月から前立腺がんや頭頸部のがんの一部に公的医療保険を適用する方針を決めた。
 
 粒子線治療は原子核である陽子や、より重い炭素の原子核である重粒子を加速器でビームにし、がん細胞に当てて殺す治療法。従来のエックス線治療に比べ、ピンポイントで患部に照射することができる。
 
 前立腺がんは、粒子線治療を受ける患者数が年間約1700人と最も多いが、先進医療に指定され、必要な検査代や入院費など一部にしか保険が使えない。28年にも保険適用が検討されたが「他の治療法に比べて優位性が認められない」と判断され、見送られていた。
産経 ニュース|粒子線治療の保険適用拡大 前立腺と頭頸部のがんに

重粒子線治療と放射線治療

前立腺癌と言われて、最初に感じるのは「転移があるかどうか」という恐怖に近い不安でしょう。その次にどんな治療を受けるかを考えるのですが、多くの治療法があり誰でも迷います。しかし、最も魅力的に感じるかもしれないのが、この重粒子線です。ただし理論的に優れているとされる重粒子線治療ですが、非常に巨額の投資が必要とされるため施設が少ないこと、いまだに従来の放射線治療以上に良い成績であると立証されていないこと、保険が適用されないことなどにより、一部の方にしか利用されていませんでした。
 
しかし、保険が適用となると今後の治療の流れが変わるかもしれません。そこで、重粒子線は放射線治療と、どう違うのか改めて考えてみます。

重粒子線は最先端の技術である、理論的には非常に優れている

IMRTなどの放射線治療は体表面では強く作用し、深いところではその線量が弱まるのに対し、重粒子線や陽子線は深いところにエネルギーのピーク(ブラッグピーク)を作ることができるため、非常に優れた特性であるとされます。
しかし、IMRTでは従来からガントリーの回転照射が可能であるため自在な照射が行われていますが、重粒子線の場合は照射方向を自在に変えるのは難しいとされ、従来は2方向固定でした。ただし、最新の施設であればこの点も改良が進んで、自在な照射が可能になっているかもしれません。(ご確認ください)

システムがいかに高精度であったとしても、照射精度は別の要因で決まる!

粒子線や放射線の治療システムが、1ミリ単位の非常に高精度な照射が可能だとしても、前立腺があるのはやわらかい人体の中です。前立腺は周辺臓器の動きの影響で位置が日によって数ミリ変わる、あるいは前立腺自体が少し変形することもあります。日々の動きに対しては治療直前に内蔵CTなどを使った画像誘導(位置合わせ)により解決できます。
 
しかしながら、前立腺は照射中であっても、時間の経過と共に少しずつ動くとされます、同じ位置であることが期待できるのは2分程度とも聞きます。この動きや変形に対して照射中に自動で追従することまではしていないため、照射精度は、システムの精度よりも”人の体の臓器の位置や形状の変化がどれくらいあるか”によって決まってしまうと思われます。

前立腺より数ミリ以上大きな範囲を照射する必要があり、この時の、おもに直腸に対する必要のない照射の副作用が問題

「治療中の前立腺の位置や形状の変化」は照射直前の位置合わせをいくら高精度に行ったとしても、解決できる問題ではないため、照射野(照射範囲)がけっして前立腺をはずれないようにするためには、照射野を「照射を必要とする範囲」より数ミリ以上大きくするなどして対応するしかありません。照射野を皮膜外浸潤(その多くは前立腺の外側の数ミリ程度)に対応させるには、さらにそれより数ミリ以上大きい範囲を照射する必要があります。
 
この数ミリ以上のマージン領域が周辺臓器、特に前立腺に近接する直腸に対する必要のない照射となります。この照射によって極端な場合には直腸に穿孔が起きることがあるのですが、そうなっては困ります。そこで、そうならない線量、つまり周辺臓器の副作用を許容できる限界の線量が、照射線量の限界となってしまいます。粒子線がいかに強力であったとしても、このことにより、同じ精度のシステムであれば放射線も粒子線も、局所への効果はそう変わらないことになります。

照射線量は「根治に必要な線量はどれくらいか?」で決まるのではなく、周辺臓器の許容限界の線量で来まる

放射線治療(重粒子線を含む)は照射線量が高いほど根治性が高くなりますから、特に高リスク前立腺癌に対しては、必要十分な、できるだけ高い線量を照射すべきです。しかし、放射線治療における照射線量は、先に書いたように「根治に必要な線量はどれくらいか?」で決まるのではなく「周辺臓器の副作用を許容できる限界の線量」で決まってしまうという点が、粒子線に限らず放射線の外照射治療に共通する難点です。
 
重粒子線や陽子線は、最先端の技術であり「理論的に非常に優れている」とされていても、この問題を解決できないため、実際の治療成績において「従来のIMRTなどの放射線治療よりも格段に良い成績を出せるか?」というと・・それは難しいかもしれない。
現実に重粒子線や陽子線治療を受けようとされる方は、5年以上の非再発率がIMRTと比較してどれくらい違うのか、実績に基づいた話を聞いてから治療の決断されたほうが良いでしょう。

重位子線治療│放医研、八王子 KN

前立腺がん治療を経験された方の体験談 八王子 KN さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

人間ドックでPSAが高いと知らされたこと

担当医からは、ホルモン+放射線治療 を勧められました。

 PSA:6.25
 グリソンスコア:9
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:T3b
 診断時年齢:63
 触 診: 異常はありましたか?:なし

あなたは、どの治療を選びましたか?

超高リスクのため重位子治療に
決めました。

放医研、PSA検査は八王子医療センター

治療後の経過、感想など自由にお書きください

三カ月PSA検査で数値が段々上り始めました、現在0.560、再発が心配です。

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

ホルモン治療で逆流射精になりました。


八王子 KN

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

トリモダリティ│滋賀医大 大阪 林

前立腺がん治療を経験された方の体験談 大阪、林 さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

 父親が前立腺がんで亡くなったのをきっかけに、できるだけPSA検査を受けるようにしていましたが、5年ほど前からPSAの上昇が見られるようになりました。

 大阪市内の総合病院で精密検査を受けた結果、前立腺がんが見つかり、摘出手術と放射線外照射治療についての説明を受けました。
 私自身は、最初は摘出手術するつもりでしたが、インターネットや本を見て、完治させるためにはトリモダリティ以外に治療方法はない、と気づき、担当医に「小線源治療を受けたい」と言ったところ、「うちは小線源治療はしていませんが、ご希望の病院があれば紹介状を書きますよ。」と優しい言葉をかけていただき、途中、遠回りもしましたが、最終的には滋賀医科大学の岡本先生にたどり着くことができました。

 PSA: 35
 グリソンスコア:9
 陽性率: 14%(生検14本中陽性2本)
 T分類: T2a
 診断時年齢: 63歳
 治療年月: 2017年8月
 触 診: 異常はありましたか?
     触診で異常はありませんでした。
      

あなたは、どの治療を選びましたか?

 会社の健康診断では、長い間、PSAは低い値でしたが、57歳の時、「PSA3.9」となりました。しかし、健康診断結果には「(基準以下)異常なし」と書いてありました。
健康診断の問診医に「基準より0.1低いだけなのですが、これって本当に大丈夫なのでしょうか」と聞いたところ、「前立腺炎でもPSAは高くなるので、PSAが高いからと言ってがんとは限りません。いずれにしても、前立腺がんは進行が遅いがんなので心配は要りませんが、検査だけは定期的に受け続けてください。」ということでした
 別の機会を捉えて他の医師にも聞きましたが、大体同様のことを言っておられ、PSAもその後、一時的に下がった時もあって、「多分、前立腺炎なのだ」と勝手に思い込み、すっかり油断してしまいました。

 結局、精密検査を受けたのは4年後の61歳になってからで、せっかく早期発見したのに、PSAはすでに12まで上昇していました。
 精密検査を受けた大阪市内のT総合病院のH医師は、最初から前立腺がんの可能性を疑っておられ、最初の生検でがんは見つかりませんでしたが、翌年、「また生検をやりましょう」、と言われました。(多分、その時、私は露骨にいやそうな顔をしていたと思います。)
しかし、次の生検でがんが発見され、H医師から「次回の診察までに、治療方法を選択してください」と言われました。
 私の場合、限局がんという診断でしたので、摘出手術してしまえば後腐れがないはず、と思っていましたが、インターネットや本でいろいろ調べて見ると、高リスクの場合、摘出手術を受けた患者の約半数が再発しているというデータが書かれており、愕然としました。

 何か良い方法はないか、

いろいろ調べた結果、トリモダリティが一番良いということがわかり、翌週、「小線源治療を受けたい」と言ったところ、H医師は「いろいろと調べられ、希望の病院があるのですね。うちは小線源はしていないが、ご希望の病院に紹介状を書きますよ。」と優しい言葉をかけていただきました。初期から前立腺がんを疑い、生検の本数を通常より増やして見つけていただいたり、患者が言いだしにくいことを察知して紹介状の話を切り出してくれたり、今でもH医師には感謝しています。

 ただ、その時失敗したのですが、治療方法の選択も重要だが医師の選択が重要なのだ、ということがこの時点ではわかっていなかったため、トリモダリティの治療実績をホームページに公開してアピールしている病院の中で、通院しやすいところ、という基準で考え、近くのH医科大学病院への紹介状を書いてもらいました。
 ところが、H医科大学病院へ行きトリモダリティを希望すると、「あなたの場合は摘出手術が一番適しています」、と言われ、来るところを間違えたとすぐに気づきました。
「トリモダリティ以外は考えていないので、滋賀医科大学病院への紹介状を書いていただけないでしょうか」、と言い、結局、遠回りして滋賀医科大学へとたどり着きました。

 ただ、この時、思ったのですが、H医科大学病院の公開情報では、完治率は公開していないものの、トリモダリティも放射線外照射治療も多くの実績があるようでした。それなのに担当医が摘出手術にこだわったことにひっかかりを感じ、理由はいろいろあるにしても、当たった医師により自分の得意な治療方法を勧めるのだろう、とその時、思いました。ということは、滋賀医科大学へ行っても、最初に当たる医師によっては手術を勧められるかもしれない。おそらくいったん滋賀医科大学で別の医師に診てもらうと、途中から岡本先生に回してもらうことは難しいかもしれない。その時はせっかく岡本先生がおられるのに、また他の病院を探さなくてはならないかもしれない。いつまでもそんなことはしておられない、と思い、H医科大学には「紹介状は泌尿器科ではなく、前立腺癌密封小線源外来の岡本医師宛にしてください」と頼み込みました。

 そして、やっと岡本先生のところにたどり着いたのは、2016年の9月、PSAはすでに35まで上がっており、グリソンスコア9という状況でしたが、最初の診察を受けたその日のうちにホルモン治療を始めていただきました。
岡本先生のお話では、「PSAの上昇速度が早いこと、グリソンスコアも高いことから、摘出手術では間違いなく再発するケースです」とのことでした。

 現在の心境としては、

「前立腺がんは進行が遅いがんなので、あわてなくても大丈夫」と言われた言葉を真に受けて、のんびりしていた自分が悔やまれます。人によって違うんですね。
滑り込みセーフだったのか、あるいはもうアウトなのか。
 完治を目指して、一番確実な治療方法と医師を自分で探し、選択しました。これでだめならそれは運命、でも岡本先生の治療なら絶対大丈夫、再発はしないはず、と現在、思っています。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

 男性機能については、ホルモン療法の時は、射精はできないが勃起機能の方は大丈夫な状態というのは確認できましたが、小線源治療・放射線外照射後は、とてもそのような気分にはなれず、まだ試したことがありません。

 副作用については、

ホルモン療法ではほとんど副作用がなく、小線源治療では尿の出方がかなり悪くなったものの、特に気になるほどではなかったのですが、放射線外照射後は副作用に苦しんでいます。
とにかく尿も便も残留感がひどく、何度でも行きたくなる。おまけに生まれて初めて痔になり、何度もトイレに行くたびに痛さで体力を消耗していきます。現在、サラリーマンで仕事をしていますが、幸い職場の近くにトイレがあるものの、切迫便に追い立てられてトイレに入ったら、先客で個室がすでにふさがっていた時は、思わず絶望の声を上げそうになります。
 紙オムツをはいているので、どうしようもない時は仕方がないのでそのまま漏らします。個室が空いたら、お尻を拭いて、紙オムツを履き替えます。最近の紙オムツはよくできているので臭いはほとんどわかりませんが、漏らしてしまうと部屋に戻ってイスに座ることができないので、別のトイレを見に行くか、トイレ付近で休憩しているふりをしています。
 最後はながながと汚い話で終わり、すみません。現在、私にとって一番切実な問題です。


大阪、林

インタビューへの回答 ありがとうございます
林さんから
「自分が治療を受けた時、初めての体験で何をされるのかもわからない一寸先は闇の中で、じぇんじぇんがんの体験記を見ておぼろげながら、ああ、この先はこんなことが待っているのか、ああ、ここさえ乗り切れば何とかなるな、ということがわかり、ずいぶん助けられました」
とお聞きして、嬉しいような、気恥ずかしいような気持ちです。投稿ありがとうございました。
私が、癌だと言われた時、トリモダリティ治療を受けるって、どんななんだろうと思っていましたが、なかなかネットでは患者からの情報が見つかりませんでした。「じぇんじぇんがん」は、そんな方に伝えられればいいなと思ってが書いています。読んでいただきましてありがとう。

前立腺がんセミナー2017大阪、岡本圭生

腺友倶楽部主催の前立腺がんセミナー

患者・家族の集い2017大阪(10月9日)のご案内

腺友倶楽部主催、2017年大阪での前立腺がんセミナーが開かれます、今回の出演は小線源治療の滋賀医大 岡本先生です。

講演1:「ハイリスク前立腺がんと向き合って」
    惠 宏敏 氏  患者( 小線源+外照射+ホルモン療法 )

講演2:「治療法の選択にあたり、知っておきたいこと」
     ~ 再発のない治療を目指して~
    岡本 圭生 氏 滋賀医科大学 前立腺癌小線源治療学講座 特任教授
Q&Aセッション:岡本圭生 / 惠 宏敏 / 武内 務 / 橋本佐与子(司会)

「前立腺がんの治療法は、どれを選んでも効果はほとんど変わらないと説明されることが多いのですが、それは死亡率のこと。非再発率には大きな開きがあるのをご存じでしょうか。・・・という案内で始まるこのセミナー。今回出演される、岡本先生は、実は私の治療をしていただいた先生で、この「じじ..じぇんじぇんがん」でもその経緯を書いています。今回の公演では小線源治療の最前線の話が聞けるはずです。

セミナー:【治療法の選択にあたり、知っておきたいこと】

10月9日、予定通りセミナーが開催され多くの患者さんが訪れました。その時のビデオを紹介します。

~ 再発のない治療を目指して~ 岡本圭生 氏

【Q&Aセッション】

NPO法人腺友倶楽部
「前立腺がんセミナー 患者・家族の集い 2017 大阪」

※ ご注意
これらの動画はNPO法人腺友倶楽部が作成しyoutubeに掲載されたものです。youtubeでは、紹介するページ内で動画を再生することを認めているため、youtubeに移動することなく、このページ内で動画を見ることができます。しかしこの場合でも再生される動画データはyoutubeから転送されており、このサイト内に動画があるわけではありません。(つまり著作権の侵害にはあたりません)

名 称:前立腺がんセミナー 患者・家族の集い2017大阪
日 時:2017年10月9日(月曜・祭日)
    13:20開場  13:40開始
会 場:エル・おおさか(大阪府立労働センター)5階 南ホール
→ エル・おおさか 交通アクセス

参加費:一般 1000円(ただし、腺友倶楽部会員及びその同伴者は3人まで無料)
申 込:直接以下のエントリーフォームから (先着順 200名)
腺友倶楽部 前立腺がんセミナー 患者・家族の集い2017大阪(公式ページ)
もしエントリーフォームでの記入ができないなら、以下のパンフを印刷後に、内容を記入してFAXで申し込むこともできます。パンフレットのダウンロードはこちら
 

Re:スライドには小線源単独では160Gyとある

このページの岡本医師のセミナー動画をご覧になった方から、滋賀医大では小線源単独はBED200Gy以上としているのに、スライドでは160Gyと書かれている。これはなぜですかという質問をいただきました。確認してみると、治療計画の説明の場面でした。


局所再発のない小線源療法を行うためのポイント
小線源単独症例では160Gy、外部照射併用症例では110Gyに相当するDose Cloudで前立腺(ターゲットボリューム)を完全に包み込むようにする(V100をほぼ100%に)

ここでの、160Gy、110Gyに相当するDose Cloudとは処方線量のことです。


中間リスク:基本は小線源単独(高線量、ホルモンなし)
単独:D90=190-200Gy BED>200Gy
高リスク:外部照射併用療法
併用:D90=135-145Gy BED>220Gy

さらに動画が進んで、単独:D90=190、併用:D90=135とありますが、この場合の数値はD90と呼ばれる前立腺体積の90%に照射される最低線量です。


このグラフは各治療におけるBEDの比較です、左から
Cyberknife サイバーナイフ
Implant alone 小線源単独
Implant+ External beam (radiation) 外照射併用小線源
Proton 陽子線治療
IMRT 強度変調放射線治療

放射線療法におけるBEDの比較では、小線源単独のD90=190GyはBED208Gyに相当する、また、外部照射併用小線源はBED220Gyに相当する。そのどちらも、サイバーナイフやIMRTといった外照射の線量を大きく超えているということを示してします。

処方線量、D90、BEDの違い

放射線治療の内容を示す数値として◯◯gyと書かれていても、それが何を表すのか、わかりにくいことが多い。治療計画では 処方線量が使われ、治療の説明や治療後の線量の確認ではD90の値が重要になる、そして放射線治療の効果を他の治療法と比較する時にはBEDが使われます。

処方線量 前立腺全体に最低でも照射されるべき線量
小線源単独療法:160Gy
外部照射併用療法:110Gy (+外照射45Gy)

V100(%) 処方線量100%で囲まれた体積が前立腺全体に占める割合

D90(Gy) 前立腺体積の90%に照射される最低線量
V100=100%近くになれば、およそD90は以下の値になる
小線源単独療法:190Gy
外部照射併用療法:135Gy

BED(生物学的実効線量)
小線源単独:I-125でのD90=190Gy は BED=208Gyに相当する。
外照射併用:I-125でのD90=135Gy + 外照射45gyは BED=220Gyに相当する。

低リスク、中間リスクであればBED>200Gy
高リスクであればBED>220Gyが達成できればほぼ局所コントロールは100%になると考えられる。

参照:医療関係者専用情報|小線源療法のパラメーターとポイント

このセミナーのビデオはおそらく医師向けとそう変わらない内容のものだと思いますので、ある程度放射線治療のことを知っていないと、ほとんど理解できないかもしれませんが、局所再発のない前立腺癌治療には非常に高い線量を投与できる小線源療法が必要であるということの説明です。