この治療法に決めた一番の理由

より高い線量を照射し前立腺癌を消滅させる

私がこの治療を選んだのは”再発をおこさない前立腺癌治療を行うこと”、その手段として ”より高い線量を照射することで非再発率や局所コントロールに優れる” というトリモダリティに納得できたからです。

高リスク前立腺癌の場合、手術を選択しないとすれば、おそらく”外照射治療”が第一選択になると思います。IMRTで必要十分な照射線量があれば良いのですが、さらに線量を上げようとすると直腸などに障害が出る可能性が増し難しい。その点、トリモダリティにおける外照射+小線源では照射線量の合計がそれを上回るとされます。

照射線量は、なぜBED220gy以上ではないのか?

診察の時、高リスクへに対するトリモダリティの場合は「BED220gy」を照射すると聞きました。しかし先の報告書では「BED220gy以上を照射した群で良い成績」とされていたため、先生に「なぜBED220gy以上の照射をしないのか?」と尋ねたところ、enough(十分である)という答えをいただきました。

この線量までしか照射できない・・という理由ではなく
「治療に十分な線量である」ということがわかり安心しました。

もっとも一番の決め手は、そんなことではなく、
先生がにこっと笑って「普通に直りますよ」と言っていただいたことでした。

実は最初の診察で、先生から癌の悪性度に関して「グリソンスコア8と診断されているが、それよりも悪い印象を受ける」と言われ、治療についても「グリソンスコア8も10も治療法は一緒」、この方法で治らないなら「他に治す方法はない」と言われたもので、私はそれを”私の癌を直すにはこの方法しかないほど難しいことなのか”と思い、ほんとうに根治が目指せるのだろうかと少し不安だったのです。しかし、そうではなく、どんな性質の癌に対してもこの治療法であれば大丈夫、という意味だったことをこの時に気づきました。


治療が決まるまでは眠れないこともあった。そんな時は部屋の隅の青いあかりを眺めていた、青のガラス瓶をあかりの前に置いただけなのだが不思議と気持ちが落ち着いた。青の照明がないならこの写真を眺めるのもいいかもしれない。この球体が何かわかりますか・・   冬まで残ったヤマボウシの実のシルエットです。

治療を始めたら後戻りできません、最初にどの治療を選択するかによってその後の全てが決まるわけですから真剣です。(※1)これまでいろいろと調べ、先生からも治療の説明を聞き、この治療法しかないと納得していたのですが漠然とした不安は残りました。しかし2度目の診察の時、先生の笑顔で言われた一言で、そんな不安は吹き飛んでしまったのですから私の頭は単純に出来ているようです。私は、これで腹をくくりました。

癌患者にとって気になるのは再発だが

完治すると思っていますが、「再発したりしないだろうか」ということがほとんど気になりません、おそらくPSAの推移も気にすることなく過ごすでしょう。これは滋賀に来て、自分の納得できる治療を受けることができたからだと思います。将来的に、もし再発という事態になったとしても・・それは仕方のないこととして、たぶん受け入れられるに違いないと思います。

たぶんこれからも笑顔で過ごせると思う

がんになって、自分の命がずっと続かないかもしれないと思い、懸命に治療法を探していたころは不安で一杯でした。でも今は、治療を始める前でありながらすっきりした気持ちで過ごしています。不思議なことにがんが見つかる前よりもずっと笑顔が増えたように思います。苦しんだことで心が多少は鍛えられたのかもしれません。


note

 ※1 最初にどの治療を選択するかによってその後の全てが決まる: 
手術を選択した場合、もし再発があった場合でも救済外照射を行えるので、チャンスは2度と言われます。治療の効果は照射線量が高いほど期待できますが、その線量は最初から外照射治療を選択した場合よりもかなり低い66gy程度の照射線量です。
放射線治療の場合でも、外照射治療のあとから小線源治療を追加する。あるいはその逆もできません。なぜなら小線源と外照射併用の場合は、それぞれの照射線量を低く抑えていますが、単独の場合は放射線の許容量ぎりぎりまで照射しているからです。最初の治療にこそ全力を尽くすべきであり、「最初にどの治療を選択するかによってその後の全てが決まる」という言葉は、実は岡本先生から言われた言葉です。

 
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