経過:PSAバウンスか、まさかの再発か??

治療後の経過をしばらく書かったので、「オチはないのか?」というツッコミもいただきましたが、どうして癌治療にオチを期待するのかなぁと思いつつも・・

皆様、おまたせしました。治療後24ヶ月経過、いつも通りの診察のはずでしたが、診察前にいつもとは違う指示が・・・

外照射治療後24ヶ月目の診察

「前回のPSAに、高いバウンスがみられるので診察より先に採血をするように」と指示されました。滋賀医大では、通常診察後に血液検査をするので、PSAは前回診察の検査結果を知らされるのですが、今回は検査結果を待ってから診察ということになりました。(2017年 6月14日)

前回の診察で聞いたPSAは0.199です、それからどのくらい上がっているのか?。採血後しばらく待ってから放射線治療の担当医から診察を受けました。告げられた6ヶ月前のPSAは2.353、そして今日の検査のPSAはさらに上がっており、なんと2.770でした。随分と上がったものです。

PSA2.770はバウンス?

2を超えたくらいどうってことない・・と思われるかもしれませんが、それは治療前の話。放射線治療後は、PSAがnadia値(治療後の最低値)から2ng/ml上昇した場合をPSA再発とみなすので、私の場合nadia値は0.007ですから、PSA2.770は立派にPSA再発のラインを超えているわけです。
但し放射線治療では「PSAが一定期間高い値となるバウンスもある」とされますから、基準値を超えたからと言って即再発というわけではありません。そう簡単に再発してもらっては困ります。


治療開始から現在までのPSAの推移

PSA2.97で前立腺がんと診断され、バウンスで2.770

数値だけではわかりにくいので、今までのPSAの推移をグラフ化してみました。私の場合PSAの最高値は治療直前の3.501です、治療によって0.007まで下降し、再び2.770まで急上昇しています。PSAバウンスのはず、なんですが、随分と高いPSA値です。

6:4でPSAバウンスだと思う

さて、このPSAの急上昇がどういう意味を持つかですが・・放射線治療の担当医の話では、「6:4でPSAバウンスだと思う」と言われました。ん、6はバウンス、では4は何?と尋ねると、「転移の可能性がある」という話でした。いまさら「転移の可能性」と聞いてもまったく実感はありませんけどね。

再び3ヶ月ごとの経過観察へ

その後、岡本先生の診察があり、先生からもテストステロンの回復に伴うPSAのリカバリー、あるいはPSAバウンスだとは思うが・・とのこと。いずれにしても、すべては次回以降のPSAの動向を見てから、ということのようです。これによって、これまでの6ヶ月ごとの診察でしたが、要チェック患者とされ再び診察スパンが3ヶ月ごとに短縮されました。

PSAはテストステロン影響を強く受けます、滋賀医大ではPSAと共にテストステロンも測っていますから、先のグラフにその変化を追加しました。テストステロンはホルモン治療の終了からおよそ3ヶ月後に最低値となり、上昇していますが、それに伴ってPSAも急上昇していることがわかります。それだけなら問題はない・・


グラフからはPSAが急上昇しているようには見えないかもしれませんが、それはリニアスケールではなく対数グラフを使っているからです。PSAは実に1年前の27倍です。

PSAを変動させるもの

PSAを変動させる要素は、主に下の3つがあり、それが重なるためPSA動きは複雑になる。今回はPSAの上昇が大きかったため、それがPSAバウンスによるものだけなのかどうか、疑わしいとされたわけです。

1.ホルモン治療による影響(治療開始後急激に下降し、ホルモン治療終了後もしばらく影響が残るため低いままだが、やがて男性ホルモンの回復に伴い再び上昇する)
2.小線源と外照射治療の効果により癌が死滅することによる穏やかな下降
3.治療の1~2年後に多いPSAバウンスによる上昇と下降、波打つような変化になることもある。

これ以外の要素としては、局所再発や遠隔転移、炎症などがある

4.前立腺やその浸潤部分に残った癌細胞が増殖したことによる上昇(真の意味でのPSA再発)
5.リンパ節や骨などに転移した微小な癌細胞の増殖によるもの(遠隔転移)
6.癌以外の要因(前立腺の炎症、尿路感染症、自転車のサドルの圧迫など物理的要因)

PSA再発の可能性から、いきなり「転移の可能性」という話になりましたが、もし転移であるとすれば、「リンパ節転移」だろうとのことでした。骨転移ならもっと急な上昇となるはずだから、骨転移ではないと思われるとのこと。

PSA40以上でも、「リンパ節転移」は普通出現しない

滋賀医大の治療においてPSA40以上という難しい治療の方であっても、術後に「リンパ節転移」が現れることは、まずないと聞いています。滋賀で同様の治療を受けた方、私より高いPSAであったとしても心配しなくても大丈夫です。私のまわりの患者さんからも誰もこのような話は出ていません。
私の場合は、2.770というかなり高い値であることから単なるバウンスだけなのかどうかが疑わしく、「転移の可能性」まで指摘されたということでしょう。

なんだか少し雲行きが怪しくなってきました。
これまでは呑気に診察を受けていたのですが、もしかすると今後、緊張感のある展開になってしまうこともありうるわけです。ま、体験記としては単純に治ってしまうより望ましい展開とも言える。・・だけれども、私くらいの病期で隠れていた遠隔転移が出現するってのは考えにくいので、まぁ、大丈夫だとは思います、心配はしていません。

PSAとテストステロン(TEST)の推移
2014年 8月08日 2.978 Tがんセンター
2014年 9月26日 3.300 Tがんセンター
2014年11月26日 3.501 トリモダリティ、内分泌治療開始
2014年12月24日 0.286 Tがんセンター
2015年01月26日 0.321 Tがんセンター
2015年 2月19日 0.154 内分泌治療 3ヶ月目 TEST 0.03
2015年 3月24日     小線源治療
2015年 5月11日     外照射治療開始(6月15日迄)
2015年 9月16日 0.007 TEST 0.12 内分泌治療終了
2015年12月17日 0.010 TEST 0.10 外照射治療後 6ヶ月
2016年 3月17日 0.030 TEST 0.16 外照射治療後 9ヶ月
2016年 6月16日 0.199 TEST 2.48 外照射治療後12ヶ月
2016年12月22日 2.353 TEST 5.40 外照射治療後18ヶ月
2017年 6月14日 2.771 TEST    外照射治療後24ヶ月

どうしていきなり「転移の可能性」なのか

これまで、この治療法は高い非再発率が期待できると書いてきました。それなのにどうして「転移」の疑いがかかっているのか、疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう、次のような理由です。
治療後に、PSA再発とされた場合は、通常は局所(前立腺や精嚢及び被膜外浸潤部分)からの再発が疑われることが多いと思います。摘出手術では完全に取りきれなかったことによるもの、放射線治療では全ての癌が放射線で死滅しなかった場合に局所再発が起きると思われます。私が治療を受けた滋賀医大の小線源治療(トリモダリティを含む)では、前立腺や精嚢に対して非常に高いBED220gyを照射しているため局所再発はまずないと言われています。また治療後に転移が起きる比率である非転移率もBED220gyでは100%というデータもあります。
局所再発でないなら、どういう場合に再発がおきるかと言うと、癌を治療する前から画像診断ではわからないレベルの転移が隠れていて、それが遠隔転移として出現した場合です。
この場合は、通常の治療では再発(転移の出現)を防ぐことはできない、つまり治療自体の問題ではありません。

治療後のPSA値の変化について
再発がなければ、PSA値は数年かけて徐々に減少し、ある程度のレベルに下がると安定します。上昇してきた場合は、局所再発か転移の出現を考慮しますが、再発がなくても治療1~2年後、数値が急激に上昇してから数か月で自然に戻る現象(PSAバウンス)もみられ、再発と誤認しないよう注意が必要です。
 
小線源療法、外部照射等の放射線治療の場合は、PSAが最低値から2ng/ml上昇した場合をPSAの再発と言います。
→ 小線源療法の注意事項[ブラキ治療]【3】|ブラキ・サポート

トリモダリティ体験記

バウンスか、PSA再発かが問題ではあるが、実は・・
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