はじめに – 医師の言葉は絶対だろうか?

PSAと言われてもピンとこないのが普通でしょう。
前立腺の正確な位置さえ知らなかった。
勧められたMRI検査で影が見つかり、前立腺癌が疑われた。
それでもPSAの低さから、
見つかったとしても早期の癌だろうと思っていたが・・

結果”高リスク前立腺がん”と診断された。
担当医は「根治が難しい」と言うが、本当だろうか・・
PSAが基準値をわずかに超え、すぐに検査したのに、なぜこうなる?。
もっと早く見つけられなかったものかと悔んだ。
それでも・・そう言われたからこそ懸命に治療法を探しました。

じじ..じぇんじぇんがん

前立腺がん トリモダリティ体験記

これまで、記憶に残るような病気もしなかったので、なんとなく「自分は癌にならないのではないか」と思っていました。しかしそんな根拠のない自信は失われ、前立腺癌が現実となった。しかも「根治が難しい」と言われた。難しいとは困難とか無理ということなんだろうか?、これからどうなるんだろう、本当に完治できないのだろうか?と不安でいっぱいでした。

朝、目が覚めた時など「癌というのは夢で、夢から覚めたりしないものか」と何度も思いました。

 ことの始まりは2014年秋。癌と告げられ、相談する相手もなく心細い思いをしましたが、今は治療中でもすっかり元気です。あらためて当時のことを思い出し、その体験を綴ることがこれから治療を受ける方への力になると思い、この「じじ..じぇんじぇんがん」を書きました。
じぇじぇじぇ、ではありません、略すなら「じじ、じぇん」ということで!

医師から勧められたのは結局「摘出手術」だけ

告知されてからすぐに、担当医から、放射線や粒子線、ダヴィンチなど、いくつかの治療法の説明を矢継ぎ早に受けました。しかし、それらは前立腺がん治療の一般的な話だったようで、”高リスク前立腺癌”と診断された私に勧められたのは結局「全摘手術」だけでした。

私も「癌など手術で切ってしまうに限る」と思っていましたから、
この時は手術ができる程度の進行度とわかり、ほっとしました。しかし、これからの一生を大きく左右する決断ですから簡単には決められません。誰かに相談しようにも、詳しい人は身近にいない。そんな中で、それ以外にも多くの治療法があることを知ったのはGoogleの力です。

手術と放射線は同等の治療成績とされるが??

Google検索で調べてみると、手術療法と放射線治療は同等の治療成績であると説明されているサイトもある、しかしそんな都合の良い偶然があるとは思えない。「どちらが優れているか一概には言えない」というだけだろう。
では、なぜ私に「全摘出手術」が勧められたかと言えば、担当医は高リスク前立腺癌に対する手術療法に研究熱心で、この病院では”高リスクの場合でも、手術療法のほうが放射線療法より成績が良い” (※1)という理由からでした。

※1 その後治療中に出会った多くの患者さんに、告知後の話を聞いてみると、ほとんどの方が「全摘を勧められた」とのこと。泌尿器科医は「まず摘出手術を薦める」というのがお約束のようだ。

それでも、担当医の「摘出手術が良い」という提案に嘘はないだろう。自信を持って勧められると「はい」と答えて先生に全てを任せたくなる。そうすればもう考えなくて済むから精神的に「楽」になれるはず・・。

医師の勧める治療法が最良なのだろうか?

しかし・・手術で本当に完治するのだろうか?、という肝心なところがわからない。私の場合、最初から「根治が難しい」と言われているし、ちょっと調べただけでも、高リスクに対しては放射線療法が勧められる、というような情報もみつかるではないか・・

ここで、自問自答してみる、
例えば、他の病院に「より優れた治療法があること」を知っていたとしても、担当医はそれを患者に言うだろうか?
また、もし医師が自分の勤務する病院に「最先端の治療システムが導入された」としたら・・たとえ実績がなくても立場上それを勧めないわけにはいかないだろう。きっと医師にだっていろいろと事情があるのだ。
しかしそれ以前に、泌尿器科の医師であっても専門外(例えば多様な放射線治療)の治療実績については案外知らないのではないか、と感じることもある。

 ・・・結局のところ、医師は「患者を完治させること」を最優先とした治療法を勧めてくれるのだろうか?ということが疑問だった。そうあって欲しいと思うが、甘い考えかもしれない。

 
そう考えると、
”医師の言葉は絶対ではない”ということに気づく。これは私にとって衝撃だった。今まで、医師は「患者の病気を直すことを最優先に考てくれる」と信じていたが、そうとは限らない。

結局・・・「治療法は自分で探すほかない」

あたりまえのことなのかもしれないが、そう、思った。

本当に摘出手術をしなくても癌は治せるのか?!

私は悪性度の高い癌であると診断されました。そして、担当医からは当然のように手術で全摘出することを勧められました。しかし自分で治療法を調べた末、担当医の意見に逆らって放射線治療を選びました。

この時、医師の意見に逆らって「大丈夫なのか?」という不安がありました。後戻りできないだけに非常に重大な決断です。
私は「高悪性度の癌であっても放射線治療で完治できるのか?」という疑問を治療直前まで持っていました。その疑問を払拭するために放射線治療だけでなく「手術療法」についても詳しく調べています。

 前置きが長くなりましたが、ここでは、私が前立腺癌と診断されてから治療を受けるまでの経緯を中心に綴っています。普通は前立腺癌闘病記とするところでしょうが、闘病と言うほど癌と戦わないで根治させるつもりですから、前立腺癌体験記としました。

この若葉は、初めて前立腺癌と知らされた方向けの説明です

前立腺癌と言われて、進行して転移したりしないかと怯えていました。それは私も同じです。しかし、この治療を通して知ったのは、前立腺癌において”転移はそう簡単に出現するものではない”ということです。たとえ高悪性度の癌の場合でも、治療を1ヶ月遅らせたくらいで、それが問題になることはない。

治療を急ぐより、治療選択にこそ時間をかけ、再発の可能性が最も低い治療法を選ぶことが肝心です。治療を受ける前から「術後の再発を心配するのはおかしい」と思われるでしょうが、再発原因の多くは初回治療に起因するものです。
 
「根治が難しい」は医師の言い訳だと考え「根治が当然」という気持ちで頑張ってください。 もし”難しい”と言われたらその医療機関では無理と言っているに過ぎません。
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命の危機、あるいは男としての危機なのだが・・
癌であることを、周囲の方にどう知らせるかという問題もある。「前立腺癌くらい大丈夫、きっと治りますよ」などという根拠のない慰めなど腹が立つだけだし、健康上の問題が周囲に知れることであまり良いことはないため、私の場合癌のことは近所にも親戚のほとんどにも知らせないことにした。
しかし入院中に担当医から「自分の癌の治療経験を伝えるべきでは」という話しを伺い、癌と告げられた方への情報発信として、入院中の病棟でせっせと作ったのがこのWebサイトです、とっても忙しい入院生活でした。

前立腺癌を理解し、その治療法の違いを正確に知ることで、きっと次が見えてきます。知るのが怖いからと言って目をつぶっていても何も解決しません。自分にとってどの治療法が最善であるのか、それを考えるための情報も詰め込んであります、次から本編です、じっくりと御覧ください。

じじ..じぇんじぇんがん(c) 2015-2019

トリモダリティ体験記

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