重粒子線治療│サガハイマット 鳥栖 HF

重粒子線治療の体験談 鳥栖 HFさん

お住まいの地域:佐賀県

治療を受けるまでの経緯は?

6月 市の無料がん検診でPSAが6になり、泌尿器科を受診
8月 前立腺肥大と診断され、PSAは経過観察
12月 PSAが8.1になり、MRI検査でがんの疑いあり
2月 古賀病院21で針生検 グリソンスコア7 TNM(M 0 N 0 T2)
   針生検は1泊2日、まるで手術のように苦痛だった
   また、針生検するなら日帰り検査を選択する 
3月 サガハイマット予約
6月 診断 ホルモン治療後に重粒子線治療開始
   古賀病院21で半年ホルモン治療
11月 型枠作成と照射位置の測定
12月 治療開始(12回)12/11~2/25

 治療前PSA:10.1
 グリソンスコア:
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:M0 N0 T2
 診断時年齢: 75歳
 治療年: 20223年
 触診の結果は?:凹凸はなし

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

施設に一番近かく、8時の予約で9時15分に治療終了(照射時間は3分)
直腸10cm内に便とガスがあると治療できないので、便秘しないよう注意した
10分刻みの時間指定で、朝早く終わり、1日がつぶれない
治療は、痛くもかゆくもなかった

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

サガハイマットは、グリソンスコア7以上は、ホルモン治療の併用となる
新幹線新鳥栖駅から徒歩3分なので、九州山口は1時間以内で通院できます。
治療費は、初日一括払いです。
受付→排便・水補給→待機室→治療室→終了まで1時間半
仕事がある人は、予約時間の調整を頼むこともできるようです。

gooブログ
ふくちゃんの庭仕事(終活編)
https://blog.goo.ne.jp/rohi29

患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?

「はい、この治療を選びます」


鳥栖 HF

鳥栖 HFさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

重粒子線治療│サガハイマット、福岡 井下

重粒子線治療の体験談 福岡 井下さん

お住まいの地域:福岡県

治療を受けるまでの経緯は?

数年前に会社の定期健診でPSA値が6を超え、エコー検査。その時点では生検は行わず、フリバス錠とセルニルトン錠服用で様子見となりました。
PSAが下がる気配が無いので、生検したところ下記の結果に。国立病院機構九州医療センターを紹介され、MR、ICT、骨シンチ検査。治療の選択肢を示されました。

さてどうしようと思いましたが、手術や線源埋め込みはどうしても抵抗があり、さらに九州国際重粒子線がん治療センターを紹介してもらいました。
2019年1月に診察を受け治療の予約を。実際の重粒子線照射は8月からでそれまではホルモン治療を続けることに。(リューブリン注射とビカルタミド服用)
8月20日から9月6日まで予定通り12回の治療を受けました。平日4日連続の治療となるので、ホテルに泊まる方も結構おられるようでしたが、私は高速道路で1時間かからないので車通院しました。

この後は10月に経過観察で受診しますが、それまでは禁酒です。。ほとんど毎日飲酒してたのですが、治療中とその後1カ月はアルコール禁止と言われどうなるかと思いましたが、思いのほか平気でした。この期間にノンアルコールビールが好きになりました。

 治療前PSA:9.5
 グリソンスコア:7(3+4)
 陽性率: 16%(生検 12本中陽性 2本)
 T分類:T1C
 診断時年齢: 60歳
 触診の結果は?:
 治療年: 2019年

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

まだ治療終了から10日くらいなので、特に無いですが、日常生活にはほとんど影響ないのでホッとしています。

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

膀胱に溜まりにくいのか、頻尿傾向ですね。夜も起きますがそれ以外には今のところ何もありません。男性機能は最近は不明ですが、ホルモン治療を開始して機能は落ちました。(性欲減退、射精せず)多分今も同じかも。

もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選ぶかと問われたが、
私は 「たぶん、この治療を選びます」と答えた。


福岡 井下

福岡 井下さん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

重粒子線治療[予定] つくば K.M

重粒子線治療の体験談 つくば市 K.Mさん

お住まいの地域:茨城県

治療を受けるまでの経緯は?

両親が癌(父:膀胱がん,母:胃がん)だったこともあり、1999年の人間ドックからPSAのオプション検査を受け続けていました。
2015年までは小数点以下でしたが、2017年:1.1,2018年:2.2 と上がりはじめましたが、加齢によるものかなぁと自分では思っていたところ、2019年1月の人間ドックでは 4.1 と基準値を超えたため「要精密検査」で紹介状を書いてもらいました。

4.1 なら大した事ないだろうと、2019年2月に泌尿器科の開業医を訪問し “経直腸的超音波(エコー)検査” を受けたら『気になる箇所があるので専門的に調べた方が良い』となり、また紹介状を書いてもらい総合病院を受診する運びとなりました。

総合病院で、2019年3月に MRI を受けたら疑いありとして、2019年4月に 針生検 をし、病理診断結果で “前立腺がん(T2a)” と確定診断が出ました。
# この頃はネットを検索しまくりで情報収集に明け暮れてました

2019年5月に病期診断として 骨シンチ と 造影剤CT を受け、転移は無いとの診断でした …. 正確には画像で判断できる限りですけどね。

これで T2a N0 M0 GS7(4+3) の確定です。

「人間は何時か死を迎える」と漠然とは理解してましたが、初めて期限は近付いていると目の前に突きつけられた感じで、やはり心穏やかにはいかないです。

ここまでの診断の流れはネットで調べた通り、教科書通りに事が運んでいるイメージでした …. 医者にとっては緊急性を要しない(比較的に遅効性)のがんだからか検査間隔が長くて普通なのでしょうけど、患者にしてみれば焦ってしまいます『1日でも早く』ってなりますね。ネットで調べられるから自分には『だいじょうぶ』と言い聞かせてましてけど、ついついネガティブになり精神力を試される日々が続きました。

 PSA:4.1
 グリソンスコア:7(4+3)
 陽性率:12.5%(生検 8本中陽性 1本)
 T分類:T2a
 診断時年齢:58歳
 触診の結果は?:経直腸的超音波(エコー)検査から大きな病院へ転院

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

主治医との治療方針を決める前に自分なりに調べて決めていたこと
1)摘出治療はしない
  術後の後遺症でQOLが悪すぎると判断
  ダヴィンチにより勃起神経温存が可能になったとはいえ確実では無いこと
  排尿障害は避けられず、経年と共に障害は収まるが100%では無いこと
2)重粒子線治療を受けたい
  医療保険に加入していたので費用負担は何とかなる
  正常細胞への不要照射をなるべく避けたい
  IMRTより治療日数が短くなりそう(この時点では SBRT を知らなかった)
  小線源は痛そう(針生検の痛かった経験もあって痛いのは嫌)

2019年5月20日の診察で主治医からの『どの治療方法にしますか?』の問いに『重粒子線治療を受けたい』と即答しちゃいました …. 一瞬『そっち?』という感じの反応でしたが快く紹介状を書いてくれました。

2019年5月29日に “粒子線がん相談クリニック” をセカンドオピニオンとして受診し、先の 画像診断データ と 針生検プレパラート を預けて治療方針の検討を依頼しました。

2019年6月25日に “粒子線がん相談クリニック” を患者として受診し、QST病院(放医研)での重粒子線治療日程が決まりました。
ただここで、治療開始までの約4ヶ月間にホルモン療法を受けるように言われてしまいました …. 副作用の男性機能障害だけは嫌だと訴えたところ『GS6なら無しもありえるが、GS7なら受けてもらっている』『どうしても嫌ならば患者さんの意思でもあるので、治療開始時には未実施もあり得るとして準備しておく』という落とし所になりました。

またまたネット検索しまくったところ、放射線治療の開始前にホルモン療法を取り入れることで予後が良くなることは証明されているみたい …. 自らが予後を悪くする方に選択することになるのかと悩みまくり。
# ただし ADT With Out の症例もゼロではないことも判明

さらに調べると、副作用の中に糖尿病への悪影響の記載があり、私自身が8年前から2型糖尿病として治療を続け HbA1c がやっと7を下回るようになったところだったので、これ幸いに糖尿病治療を受けてる先生に相談したら『早計に判断できない、泌尿器科の先生とよく相談するように』と諭され、今週末の診察を待て知ます。

ホルモン療法を受ける/受けないにしろ、10月下旬から12回の重粒子線治療をQST病院(放医研)で受けてきます。

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

性欲が強いのかどうか他人様と比較したことはないので解りませんが、私個人としては男性機能が無くなることは許容できませんでした。

仮に10年遅く、68歳で発症(発覚)したとしたら許容できたのかもしれませんが …. こればっかりは解りません。

もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選ぶかと問われたが、
私は 「たぶん、この治療を選びます」と答えた。


つくば市 K.M

つくば市 K.Mさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

重粒子線治療か、小線源か? 東京 Y

前立腺がん治療を経験された方の体験談 東京 Y さん

がんが見つかって、どんな治療を勧められましたか?

私は、元々血液検査で肝臓などの数値が悪化傾向であるため、消化器内科に通っていました。2018年の2月、肺や消化器系のCT、MRI検査を受けるついでに、念のためPSA検査をしたところ5程度と高かったため、泌尿器科でMRI検査を勧めらました。

MRIの結果は、癌の疑いが見られるとされ、PSAも7程度と上昇していることから3月に生検を受けました。5年以上前にPSA検査をしたときは1以下であったため、油断してそれ以来検査していませんでした。ちょっと後悔しています。
生検の結果は、やはり前立腺がんでした。このあと骨シンチなどで転移を調べます。

主治医の先生は手術を勧めてきました。事前に勉強していたとおり、手術なら再発時に放射線などの選択肢があるが、といった説明でした。知らない人はそれで納得してしまうのだろうなと思いました。(悪い先生ではなく、こちらから質問すれば正直に答えてくださいましたが…)これから、まずは転移がないという前提で、どの病院で診ていただくか検討したいと思っています。低リスクでしたら東京の病院でもよいかなと思っていましたが、生検の結果を受け、気持ちとしては滋賀医大に大きく傾いています。

 PSA:7
 グリソンスコア:3+4=7
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:T2c
 診断時年齢: 54歳
 触 診: 異常はありましたか?

あなたは、どの治療を選びましたか?

まだ、治療前です。

小線源治療を受けたいと思っていますが、最初から小線源だけに絞ってしまうのもどうかと思い、自分を納得させるためにも、一度重粒子線の話を聞いてみたいという気持ちもあります。重粒子線は、それが当たったところへの効果は高いのでしょうが、ビームが絞られている分、正確に患部全体に当てるのは難しいのではと思っています。その辺りをどう考えているのか確認したいという気持ちです。
実際に、重粒子線についてセカンドオピニオンを聞いてきました。簡単にまとめましたので、ご参考までにお送りします。

重粒子線は、X線よりもエネルギーを患部に集中させやすく、その細いビームを縦、横、深さ方向に走査して患部を塗りつぶすように照射します。結論からお話しますと、やはり照射位置の精度が特別に高いわけではないようで、またIMRTなどと比べて治療成績が格段に優れているわけでもなさそうでした。メリットとしては、IMRTより照射回数が少なくてよいという点と、直腸などの副作用が少ないという点と理解しました。それでも治療を希望される方は多いそうで、現在は初診が3ヶ月待ちだそうです。

◎実績、PSA非再発率は?
PSA非再発率は、中リスクの場合、5年で90数%、10年で8割程度、高リスクも大きくは変わらない。

◎副作用の発生率は?
他の方式と比べて膀胱は大きな差はない。直腸は若干良い。

◎ホルモン療法は前後それぞれどの程度の期間?
中リスクでは6ヶ月。4ヵ月後から重粒子線治療開始。
高リスクでは2年(たぶん中リスクと同様に4ヵ月後から重粒子線治療開始と思われる)
ホルモン療法については、前立腺を縮小させる効果が見込めることと、過去のX線治療でホルモン療法併用が有効とのエビデンスがあるため適用している。

◎位置合わせの方法は?
予め決められた位置に体を強く固定した後、レントゲン撮影を行い位置を確認する。位置がずれていた場合は、体を動かして調整する。照射装置側での調整は無し。事前に計算した位置に前立腺がある前提で照射を行う。

◎照射方向は?
周囲の骨との位置関係を考慮し左右の水平方向から照射する。1日毎に右、左、交互に照射を行う。

◎照射範囲はどのくらいのマージンを取っている?
外側に数ミリのマージンを取っている。浸潤の状況で若干の調整はある。

※ まだ最終的な治療方針は確定しておりませんが、中リスクなので、小線源単独か、外照射併用のどちらかになりそ
うです。


東京 Y

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

この春に治療、重粒子線に期待 大阪MH

前立腺がん治療を経験された方の体験談 大阪 MH さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

会社の健康診断の有料オプション検査で受けたPSA が4.25でその後、精密検査としてMRIを受けたが異常なしとの事で3年間経過観察でした。その間、3ヶ月に一回、PSAを取り、徐々に数値が上昇し、去年10を超え、14.3まで上がりました。それで昨年末にMRIを再度撮り、影が見つかったという事で年末に生検をしたところ、12箇所取った最後の一個にガンが見つかりました。今年に入って転移の有無を調べるために、骨シンチグラムと造影剤CT検査を受けて26日に結果を聞きに行きます。その時に治療方針の話になると思います。

 PSA:14.3
 グリソンスコア:7
 陽性率:8.3 %(生検 12本中陽性 1本)
 T分類:
 診断時年齢:65 歳
 触 診:

あなたは、どの治療を選びましたか?

治療はこれからですが、先生は切除を勧められていますが、知人から重粒子線治療の話も聞きました。今週、厚生労働省が前立腺ガンの重粒子線治療を4月から保険適用するというビッグニュースがありました。保険適用という意味は金銭上の負担が大幅に減少するという事以外にその実績が認められた、との事でもありますよね。また、地元大阪に初めて重粒子線治療センターが春に力という話もあり、ちょうど良いタイミングかなと思っています。

大阪 MH

その後のご連絡をいただきました

大阪MH 2018年3月1日 16:43

上の投稿をした大阪MHです。
転移は無しとの検査結果でした。また、グリソンスコアは7でした。
そこで切除にするか、重粒子治療にするかとなりました。私のPSAでは小線源は受けられないとのことです。大阪重粒子センターに期待したのですが、開院は3月、治療開始が10月とのことです。10月まで待てるのかというのと、その後の転移時の再治療と切除による尿漏れリスクを考えて、最終的に切除手術をすることに決めました。尿漏れのリスクは個人差が大きいという事で、手術前から必要な筋肉の訓練を始めることにしました。入院手術は2か月後ということで、それまでの自由な生活を楽しむことにしました。先生曰く、ダビンチで手術をするので退院後すぐにゴルフもできるよ、という事でしたが、本当でしょうか。退院の2日後と2週間後にコンペがあり、エントリーしています。

大阪 MH

 


再度のご連絡 ありがとうございます

最終的に切除手術をすることに決めました、とのこと。

みなさん考えかたはそれぞれ、いろいろ調べ迷われた上での決断でしょうから、尊重すべきことだと思っていますが、2点補足させていただきます。

私のPSAでは小線源は受けられない

とありますが、これはMHさんの受診している病院ではPSA10以上の患者には小線源治療をおこなわないということなのでしょう。実際に多くの病院ではPSA10未満とか、グリソンスコア6,あるいは7迄と決められているようです。小線源治療の大きな問題はまさにここ、小線源によって高い線量を局所に与えることができれば、高リスクであっても根治可能なのですが、その技術が多くの病院にまで広まっていないため、いまだ低リスクと一部の中間リスク迄としている病院が多いのです。現状で、小線源治療を受けようとすると、高リスクであっても小線源治療を実施(外照射併用を含む)している病院を選ぶほかありません。

先生曰く、ダビンチで手術をするので退院後すぐにゴルフもできるよ。

ダビンチについては、「癌など手術で摘出するに限る – 前立腺全摘」のページで書いていますが、「ダビンチだから大丈夫」というようなことを医師に言われると、ダビンチが夢のような治療法に感じますが、摘出手術には違いありません。手術療法の尿漏れは、退院時に良くなっている方から改善するまでに数ヶ月を要する方など様々と聞きます、また尿漏れが止まった方でも、力を入れた時にはわずかに漏ることもあると聞きますから、実際のゴルフには尿漏れ吸収パッドが必要になるのではないでしょうか。


インタビューへの回答 ありがとうございます

 
調べてみると、厚生労働省は17日、4月から前立腺がんに公的医療保険を適用する方針を決めた。というニュースがありました、これは前立腺癌治療に関する大きなニューですね。また、地元大阪に初めて重粒子線治療センターが春に、というのはこのことですね。→2018年に大阪の都心部で最先端の重粒子線がん治療がスタートします|大阪重粒子線センター

粒子線治療の保険適用拡大 前立腺と頭頸部のがんに

 厚生労働省は17日、がん粒子線治療について、4月から前立腺がんや頭頸部のがんの一部に公的医療保険を適用する方針を決めた。
 
 粒子線治療は原子核である陽子や、より重い炭素の原子核である重粒子を加速器でビームにし、がん細胞に当てて殺す治療法。従来のエックス線治療に比べ、ピンポイントで患部に照射することができる。
 
 前立腺がんは、粒子線治療を受ける患者数が年間約1700人と最も多いが、先進医療に指定され、必要な検査代や入院費など一部にしか保険が使えない。28年にも保険適用が検討されたが「他の治療法に比べて優位性が認められない」と判断され、見送られていた。
産経 ニュース|粒子線治療の保険適用拡大 前立腺と頭頸部のがんに

重粒子線治療と放射線治療

前立腺癌と言われて、最初に感じるのは「転移があるかどうか」という恐怖に近い不安でしょう。その次にどんな治療を受けるかを考えるのですが、多くの治療法があり誰でも迷います。しかし、最も魅力的に感じるかもしれないのが、この重粒子線です。ただし理論的に優れているとされる重粒子線治療ですが、非常に巨額の投資が必要とされるため施設が少ないこと、いまだに従来の放射線治療以上に良い成績であると立証されていないこと、保険が適用されないことなどにより、一部の方にしか利用されていませんでした。
 
しかし、保険が適用となると今後の治療の流れが変わるかもしれません。そこで、重粒子線は放射線治療と、どう違うのか改めて考えてみます。

重粒子線は最先端の技術である、理論的には非常に優れている

IMRTなどの放射線治療は体表面では強く作用し、深いところではその線量が弱まるのに対し、重粒子線や陽子線は深いところにエネルギーのピーク(ブラッグピーク)を作ることができるため、非常に優れた特性であるとされます。
しかし、IMRTでは従来からガントリーの回転照射が可能であるため自在な照射が行われていますが、重粒子線の場合は照射方向を自在に変えるのは難しいとされ、従来は2方向固定でした。ただし、最新の施設であればこの点も改良が進んで、自在な照射が可能になっているかもしれません。(ご確認ください)

システムがいかに高精度であったとしても、照射精度は別の要因で決まる!

粒子線や放射線の治療システムが、1ミリ単位の非常に高精度な照射が可能だとしても、前立腺があるのはやわらかい人体の中です。前立腺は周辺臓器の動きの影響で位置が日によって数ミリ変わる、あるいは前立腺自体が少し変形することもあります。日々の動きに対しては治療直前に内蔵CTなどを使った画像誘導(位置合わせ)により解決できます。
 
しかしながら、前立腺は照射中であっても、時間の経過と共に少しずつ動くとされます、同じ位置であることが期待できるのは2分程度とも聞きます。この動きや変形に対して照射中に自動で追従することまではしていないため、照射精度は、システムの精度よりも”人の体の臓器の位置や形状の変化がどれくらいあるか”によって決まってしまうと思われます。

前立腺より数ミリ以上大きな範囲を照射する必要があり、この時の、おもに直腸に対する必要のない照射の副作用が問題

「治療中の前立腺の位置や形状の変化」は照射直前の位置合わせをいくら高精度に行ったとしても、解決できる問題ではないため、照射野(照射範囲)がけっして前立腺をはずれないようにするためには、照射野を「照射を必要とする範囲」より数ミリ以上大きくするなどして対応するしかありません。照射野を皮膜外浸潤(その多くは前立腺の外側の数ミリ程度)に対応させるには、さらにそれより数ミリ以上大きい範囲を照射する必要があります。
 
この数ミリ以上のマージン領域が周辺臓器、特に前立腺に近接する直腸に対する必要のない照射となります。この照射によって極端な場合には直腸に穿孔が起きることがあるのですが、そうなっては困ります。そこで、そうならない線量、つまり周辺臓器の副作用を許容できる限界の線量が、照射線量の限界となってしまいます。粒子線がいかに強力であったとしても、このことにより、同じ精度のシステムであれば放射線も粒子線も、局所への効果はそう変わらないことになります。

照射線量は「根治に必要な線量はどれくらいか?」で決まるのではなく、周辺臓器の許容限界の線量で来まる

放射線治療(重粒子線を含む)は照射線量が高いほど根治性が高くなりますから、特に高リスク前立腺癌に対しては、必要十分な、できるだけ高い線量を照射すべきです。しかし、放射線治療における照射線量は、先に書いたように「根治に必要な線量はどれくらいか?」で決まるのではなく「周辺臓器の副作用を許容できる限界の線量」で決まってしまうという点が、粒子線に限らず放射線の外照射治療に共通する難点です。
 
重粒子線や陽子線は、最先端の技術であり「理論的に非常に優れている」とされていても、この問題を解決できないため、実際の治療成績において「従来のIMRTなどの放射線治療よりも格段に良い成績を出せるか?」というと・・それは難しいかもしれない。
現実に重粒子線や陽子線治療を受けようとされる方は、5年以上の非再発率がIMRTと比較してどれくらい違うのか、実績に基づいた話を聞いてから治療の決断されたほうが良いでしょう。

重位子線治療│放医研、八王子 KN

前立腺がん治療を経験された方の体験談 八王子 KN さん

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

人間ドックでPSAが高いと知らされたこと

担当医からは、ホルモン+放射線治療 を勧められました。

 PSA:6.25
 グリソンスコア:9
 陽性率: %(生検 本中陽性 本)
 T分類:T3b
 診断時年齢:63
 触 診: 異常はありましたか?:なし

あなたは、どの治療を選びましたか?

超高リスクのため重位子治療に
決めました。

放医研、PSA検査は八王子医療センター

治療後の経過、感想など自由にお書きください

三カ月PSA検査で数値が段々上り始めました、現在0.560、再発が心配です。

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

ホルモン治療で逆流射精になりました。


八王子 KN

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

重粒子線しかないと思った、栃木71歳KY

前立腺がん治療を経験された方の体験談 K.Yさん71歳

がんが見つかったきっかけは?、また、どんな治療を勧められましたか?

毎年、市の健康診断でPSAを測っていました。ずっと3くらいの値でしたが、昨年の健康診断でPSAが3.5になったため獨協医大を受診しました。獨協でPSAを測ったところPSAは4になっていおり、触診では肥大はあるものの、硬さは問題ないとされましたが、自分から生検を受けることを希望し検査入院をしました。その結果「前立腺がん」と診断されました。

担当医からは、放射線の新しい機械が入るから放射線外照射もできる。または、ロボットも良いという話でした。

それを聞いて、あなたはどう思いましたか?

ネットで調べたところ、摘出手術では成績が良くないと知っていました。担当医は初診の時とは別の医師でしたが、重粒子線を希望していると伝えると、再度、この病院にはロボットもあるし放射線治療システムもある、福島の陽子線治療ではどうですか?と勧められました。

 PSA:4
 グリソンスコア:
 陽性率:15%(生検 20本中 陽性3本)
 癌の部位:両葉(右2、左1?)
 T分類:
 診断時年齢:71歳
 触 診: 異常はありましたか? ない

治療法に悩みましたか、実際にどんな治療を受けましたか?

治療法には悩んでいません。ネットで検索し放医研の重粒子線しかないと思しました。自分の決断に自信があったためセカンドオピニオンは受けることは考えませんでした。

担当医からは「お金かかる、保険には入っていますか?」とも聞かれましたが、私は「お金に糸目をつけない」と伝えたところ、渋々という感じで放医研への紹介状を書いてくれました。

放医研で重粒子線治療
獨協ではステージ1と言われましたが、放医研ではステージ2という診断でした。
治療前の5ヶ月くらい前からホルモン治療を受けましたが、前立腺肥大の縮小のためという説明を受けています。ホルモン治療は重粒子線治療と同時に打ち切りになりました。ホルモン治療の影響はまったく感じたことはありません。
放医研でに入院したのは2016年1月です。
重粒子線治療に先立って体の下に入れるための型を作りました。重粒子線治療は15分くらいですが、実際の照射時間は1分強くらいだと思います、ごーっという音がしますが、痛くも痒くもありません。照射時は専用の下着でした。照射は1週間あたり4回、合計12回のため3週間かかりました。重粒子線治療の8,9回目あたりから頻尿の症状が出てました。入院中はお酒は禁止、コーヒーもだめです。昔は16回の照射であったそうです。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

世界の最先端の治療法は重粒子線であると思ったので、放医研に決めました。重粒子線は兵庫にもあるが技師がいないらしい。大分にもあるけどね・・

治療を決めたのは以下のような理由です
●手術だと尿漏れなどの合併症が出るので放射線治療を選んだ。
●放医研は99.9%治ると言う。
●10年で再発がいない、という??

治療後の経過は、特に気になることはありません、ただし5月まで頻尿が続きました。


栃木K.Y 71歳


インタビューへの回答 ありがとうございます.

この回答は、実際に話していただいたものを、こちらでまとめたものです。
 ※ 文中に「放医研は99.9%治る」、「10年で再発がいない」とありますが、実際にそのようなデータは開示されていませんから、担当医あるいは関係者の期待を込めた発言の可能性が高いと思われます。

重粒子線は理論的には非常に優れている

重粒子線は、最先端の技術であることは確かです。また、従来の放射線治療は体表面では強く作用し、深いところでは弱まるのに対して、陽子線は深いところにエネルギーのピーク(ブラッグピーク)を作ることができるため、理論的には非常に優れていると感じます。ただし照射方向を自在に変えるのは重粒子線の場合難しいようで、この時点では2方向からの照射だったようです。これに対してIMRTではガントリーの回転照射を可能としていますから、放射腺の形状の制御ではIMRT(VMAT)が1歩先にあるように思います。このため重粒子線が高精度に制御され前立腺癌だけに確実に照射できるかどうかという点において、その精度は通常のIMRTを超えるものとは思えません。

システムが高精度であったとしても、照射精度はそれ以外の要素で決まる?

というのは、粒子線や放射線の治療システムは、仮に1ミリ単位で非常に精度良く照射が可能だとしても、前立腺があるのはやわらかい人体の中であり、日によって前立腺の位置が数ミリ変わる、あるいは周辺臓器の影響で前立腺自体が少し変形することもあります。システム自体は高精度でも、この動きや変形に対して照射中に自動で追従することまではしていないため、照射精度は人の体の臓器の位置や形状の変化がどれくらいかによって決まってしまうと思われます。(前立腺は時間の経過と共に少しずつ動くため、同じ位置であることが期待できるのは2分程度とも聞きます。)

おもに直腸に対する必要のない照射の副作用が問題

これは照射直前の位置合わせをいくら高精度に行ったとしても、解決できる問題ではないため、現実的には照射範囲を数ミリ以上大きくするなどして照射範囲がけっして前立腺をはずれないようにしています。また皮膜外浸潤(その多くは前立腺の外側の数ミリ程度)に対応することも考えると、前立腺より数ミリ大きい範囲を照射する必要がありますから、この数ミリ以上のマージン領域が周辺臓器、特に直腸に対する必要のない照射となり、それによって起きる副作用を許容できる限界が、照射線量の限界となってしまいます。

放射線治療(重粒子線を含む)は一般に照射線量が高いほど根治性が高くなりますから、できるだけ高い線量を照射すべきですが、放射線治療における照射線量は「根治に必要な線量はどれくらいか?」で決まるのではなく、副作用を許容できる限界の線量で決まってしまう、という点が、放射線及び粒子線などの外照射に共通する点ですから、粒子線が放射線より格段に良い成績を出せるか、というとそれは難しいだろうと思われます。