HDR トリモダリティ│北里大学病院 Y.K

北里大学病院│HDR トリモダリティの体験談 愛知 Y.Kさん

お住まいの地域:愛知県

治療を受けるまでの経緯は?

地元の病院で前立腺癌の検査が終了し、全摘の手術日が決まった時、偶々このサイトが目にとまり、大変参考になりました。悩んだ結果、手術日程の全てをキャンセルし、あらためて治療法を考えることにしました。

まずは愛知県がんセンターと名古屋市陽子線治療センターでセカンドオピニオンを受け、手術、IMRT、陽子線などの治療方法を色々と先生方からお聞きしましたが、いずれも決め手がなく、また遠方ではあるものの小線源治療が画期的で評判が高い滋賀医科大学は既に治療日程が間に合わず本当に迷っていました。あらためて自分なりに調べ、またこのサイトで相談に乗っていただいた結果、自分の病状にHDRが最適であると納得して北里大学病院での治療を受けることに決めました。

 PSA:10.75
 グリソンスコア:北里で再評価:5+4=9(最初の診断:GS3+5=8)
 陽性率: 33%(生検 10本中陽性 3本)
 T分類:T2b
 診断時年齢: 61歳
 触診の結果は?:
 CT、MRI、骨シンチいずれも転移なし

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

担当医から勧められたのはHDR(高線量率組織内照射法)に外照射とホルモン療法を併用するHDRトリモダリティでした。
2018年10月から8ヶ月間の事前ホルモン療法を受け、先週2日間にわたりHDR治療(11gy×2)を受けました。そして今週からトモセラピー(IMRT)による外照射(3gy×10回)通院のため、ホテル住まいです。自分なりに考えて決めた病院と治療方法に納得しています。

初診から入院までの経過
2018/10 初診
2018/10 ホルモン療法開始(1週間後)
2018/11 泌尿器科診察:経過観察
2019/3  泌尿器科診察:経過観察、手術日程決まる
2019/6  泌尿器科診察:術前検査
     放射線治療科:治療計画、入院説明

ホルモン療法について(地元のクリニックにて)
・リュープリン注射/術前8ヶ月+術後2年間
・ビカルタミド服用/術前8ヶ月+術後外照射終了まで25日間
 ※術前直前2019/6にPSA値0.04まで下がる。
( もし、PSA値が十分下がらない場合は外照射のみの治療に切り替える事もあるとのことでした。)

北里・治療スケジュール

  • 月曜日:入院
  • 火~水曜日:HDR手術 (1日2人実施)
  • 日曜日:退院
  • 月曜日(退院日翌日):外照射の位置決めCT、型取り
  • 退院後2~3日目から:外照射、10日間通院

実際の入院日程

  • 2019/7/1(月)入院:病室は、1号館6階S病棟(泌尿器科患者用)個室/HDR専用ベッド配置
  • 7/2(火) 午前:針刺入、午後:HDR照射
  • 7/3(水) 午前:HDR照射、午後:針抜取り
  • 2019/7/7(日):退院

HDR手術について
HDRの線量:初診時(2018/10)の説明ではHDR 7.5gy×5/3日でしたが、その後、HDR11gy×2/2日に改定されたとのことです。外照射については変わりありませんでした。
HDR: 針の本数は標準で18本ですが、私の場合19本でした。左右均等に刺入。照射領域に精嚢を含むが、リンパ節は含まない。
針刺入中は両足マッサージ器が着けられましたが、寝返りは一人ではできず、昼夜通して看護師さんにお世話になりました。辛かったですね。副作用は退院後1週間位、少しの排尿痛があった程度でした。

  • 診療費(3割負担):¥285,039
  • 保険適用外の費用:¥114,480 (差額ベッド1泊¥16,200×7日を含む)+食事¥7,360

HDRに併用する外照射治療について
IMRT(トモセラピー) 3gy×10/10日 2019/7/11(木)~25(木)

  • 私は外照射併用でしたが、HDRのみの場合もあるとのこと。入院は認められません、ホテル宿泊を勧められました。
  • 1日1回わずか10分位でした、予約時間通りで待ち時間はありません。随時、予約日時の変更も可能です。
  • 副作用は今のところほとんど何もありません。
  • 診療費(3割負担):初回¥32,940 +¥13,650×9回

  Q. トモセラピーは精度が高いということなのでしょうか?

前立腺への外照射治療では、通常前立腺の形状に合わせた形にX線を整形し照射しますが、トモセラピーではX線を細いスリット状に整形し人体を移動しながら照射位置を変え、その合成された照射野が前立腺の形になるようにするため、原理的に高精度でないと成立しない技術です。ただしトモセラピーだけが高精度というわけではなく、最新の外照射治療システムはいづれも高精度です。  ichi

現在の経過、伝えたいことなど

振り返ってみて一言で言えば、北里大は、大きな病院ですが組織的に運営されているなぁと感じました。患者に対する配慮が伝わり、心から信頼できる病院だと思います。
2019/8 泌尿器科診察予定:術後1ヶ月経過観察です。
2019/10 放射線治療科診察予定:外照射終了後3ヶ月経過観察です。

もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選ぶかと問われたが、
私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。


愛知 Y.K

愛知 Y.Kさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

HDR トリモダリティ│北里大学病院 Y.K」への4件のフィードバック

  1. 初めまして、神奈川県に住んでおります、庄司と申します。
    この記事を興味深く拝読いたしました。 私も北里大学病院で、来年(2023年)5月にHDRトリモダリティによる治療を予定しており、現在はホルモン治療中です。 12月で5か月になりますが、PSAの下がり方が遅いためこの先どうなるのか懸念しているところです。
    今の治療まで紆余曲折があったのですが、主治医(北里大:泌尿器科:非常勤医師)からは「とにかく今の治療を続けましょう!」と励まされております。
    私の場合、GS=7,治療開始時のPSA=65と高値だったので、治療方法はHDR以外には方法はないといわれ、その説明には納得しています。
    この記事にもあります「組織的に運営されている」というところに安心感を覚えました。 また、主治医からは「チームを組んでしっかりやりますから大丈夫ですよ!」と言われたことも安心材料です。
    同じ治療を受ける立場として、この記事は大変参考になりました。ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます。私もHDR前のホルモン治療中はPSAの下がり方をすごく心配していました。担当医師から「少しずつでも下がっていればいいですよ。」と言われて気が楽になったことを覚えています。いずれにしても状況に応じて内・外照射の適切な線量で治療をしてくれるものと思います。北里の治療実績を信じて頑張ってください。(私の場合、HDR治療後3年が経ちましたが、PSAは0.003以下で推移しています。)また何かあれば遠慮なくご連絡くださいね。

  2. 初めまして、山梨川県に住んでおります、三原と申します。
    2019年にPSAが6.4ということで泌尿器科にて監視療法をしていたのですがPSAが10前後になった為、2024年9月に別の泌尿器科を受診した所、MRIを撮り前立腺がんが確認されました。東京の病院にて11月に針生検をしてグリソンスコアが3+4の7、T3a、骨シンチ、CTでは転移が認められませんでした。

    今年の1月末に紹介状にて昭和大学江東豊洲病院でトリモダリティ療法があるということでホルモン療法を開始したのですが、HDRトリモダリティ療法だと小線源が体内に残らないことを知り、出来ればHDRトリモダリティ療法のほうが良いのではないか?と迷っています。
    そこでHDRトリモダリティ療法はトリモダリティ療法よりも良いのか?を実際にHDRトリモダリティ療法を受けた方のご意見を伺えれば幸いです。
    どうぞよろしくお願い致します。

    • このページはブログであるため、SNSのように皆様のコメントが期待できるわけではありません。
      私がわかる範囲で答えさせていただきます。
      HDRもLDRも小線源を使った内照射治療であるという共通点はありますが、その方法は大きく違います。

      関西医科大学 組織内照射について
      画像引用:関西医科大学 組織内照射について

      HDRでは、
      前立腺全体をぎりぎり外から包み込むように中が空洞の針を刺し、その中を放射線源を移動させ照射します。このため前立腺被膜外に腫瘍が浸潤していた場合であっても照射が可能なこと、精嚢にも照射が可能なことが特徴で、被膜外浸潤、精嚢浸潤リスクの高い患者さんには有効でしょう。HDRは線源の線量を高くして、大きな範囲を照射することで照射モレを防ぐ、という感じのイメージです。
      このためLDRに比べ合併症のリスクが高くなると思われますから、中間リスクまでだとデメリットも少なくないことから、高リスク以上向けの治療とされているように思います。

      一方LDRでは、
      前立腺の内側から被膜の外に出ないよう、ぎりぎりの位置に線源を留置しますが、計測器によって線量分布はリアルタイムに表示されます。LDRは低い線量の線源を多数配置して、術者の考える理想的な線量分布を作りやすいのが特徴です。高精度に線源を配置して理想的な放射線のクラウドを形作るというイメージです。
       被膜外浸潤には正確な辺縁配置によりほぼ対応できますが、精嚢浸潤に対し精嚢基部への線源を留置する医師は僅かであり、この対策として外照射を精嚢に集中させる方法をとる医療機関もあります。

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