小線源単独│東京医療センター 東京 K.

小線源単独療法の体験談 かーすけさん

お住まいの地域:東京都

治療を受けるまでの経緯は?

 自治体の健康診断でPSAが5.09で要検査となり、近所の総合病院を受診。MRIでの所見では、がんと思われる怪しいところはなかったものの、医師の「若いので念のため、生検しましょう」との言葉で生検。

その結果、グリソンスコアがGS=4+3の前立腺がんと診断が確定(その病院は病理検査を外部機関に委託)。泌尿器科の長が、東京医療センターの非常勤医師であり、同センターへの紹介状をいただいた。

 東京医療センターの初診時には、紹介状と病理データを見ていただいた段階では、小線源と外部照射の併用になる旨の診断だった。生検プレパラートを同センターで再検査した結果、再評価されて グリソンスコアはGS=3+3に変更

2019年9月に同センターで小線源単独の治療。この当時は、東京医療センターではGSが7の中間リスクだと小線源と外部照射の併用になるとのこと。今も、そうであるか否かは分かりません。

 治療前PSA:5.09
 グリソンスコア:3+3(再評価)
 陽性率: 33.3%(生検 12本中陽性 4本)
  ※生検時の感触(?)で標準10本から左葉に2本追加、
 実質は20%
 T分類:T2a
 診断時年齢: 57歳
 触診の結果は?:触診はありませんでした
 治療年: 2019年

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

私のような低リスクの方であれば、どの治療方法(全摘手術 or 放射線)でも根治可能だと思います。

ご存じの通り、前立腺がんには沢山の治療方法があり、患者さんの置かれた生活環境、そして病状によって最適な治療方法は変わってくるでしょう。

QOLを考えると、私の場合、前立腺がんの知識が何もない状態で、たまたま受診した医師が推薦してくれた、東京医療センターの小線源を結果的に選択して本当によかったと実感しています。

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

PSAの推移は以下の通りです。

2018/11/30 5.09 自治体の健康診断
2019/1/18 5.15 地元の総合病院を受診
2019年2 月 生検でGS=4+3
2019/4/3  4.48 東京医療センター初診
2019/8/28 5.83 小線源手術に向けてプレプラン
2019/10/30 2.67 術後1カ月診断
2019/12/25 0.88 術後3カ月診断
2020/3/18 0.65 術後6カ月診断
2020/6/17 0.50 術後9カ月診断
2020/9/30 0.76 術後12カ月診断(PSAバウンス?)
2020/12/23 0.71 術後15カ月診断
2021/3/23 0.51 術後18カ月診断
2021/6/15 0.53 術後21カ月診断
2021/9/28 0.34 術後24カ月診断

男性機能は弱くなったものの、まだ大丈夫です。年相応かな。

患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?

私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。


かーすけ

かーすけさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
こちらの都合で掲載がたいへん遅くなっていまい、申し訳ありません。PSAの推移を見る限り順調のようですね。小線源治療数が日本でトップの医療センターですが、体験談をお寄せいただくことは少ないのです、ありがとうございます。

小線源単独│滋賀医大 大阪 K.K

小線源単独療法の体験談 大阪 K.Kさん

お住まいの地域:大阪府

治療を受けるまでの経緯は?

毎年受けている人間ドックの検査結果でPSA値の異常が判明。担当医の紹介状を手に、近隣のA病院に検査を予約した直後、不注意により転倒し腰椎を圧迫骨折。A病院の針生検は腰椎麻酔下で行うため、担当医からは骨折が完治するまで3~4か月検査を先延ばしすることを提案されたが、当時前立腺がんの知識が全くなかった私はがんの進行を恐れ、腰椎麻酔でなく全身麻酔で検査を行っている大阪市内のB病院へ転院。B病院での生検の結果、前立腺がんが確定。

B病院で示された治療方針は、外部放射線か外科手術の2択。治療後の再発率に関しては差異はなく、外科手術なら「病変を取り切れれば」再発率は低いと考えられること、ロボット支援下の腹腔鏡手術は身体への侵襲も少なく、「再発しても」放射線治療で対処ができると説明され、「それなら手術しかないか」と手術に同意。
但し、前立腺は全摘せざるを得ず、尿漏れ等の後遺症が残る恐れがあり、男性機能も完全に喪失するとのこと。命には代えられないと一旦は覚悟を決めたものの、これから先、再発の不安や後遺症等に苦しみ、残念な思いを抱えながら残りの人生を送らなければならないのは、どうしても耐え難く、ほかの治療法がないのか必死で模索していたところ、ある前立腺がん患者さんのブログで岡本先生の小線源療法の存在を知り、B病院の手術をドタキャン。その年の10月に小線源単独治療を受けた。

 治療前PSA:7.1
 グリソンスコア:3+4=7
 陽性率: 25%(生検12本中陽性 3本)
 T分類:不明
 診断時年齢:59歳
 触診の結果は?: 触診なし
 治療年: 2017年

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

退院日から3日間ほど頭痛に悩まされるも、それ以外は特に副作用なし。
術後最初の診察日には、岡本先生より「手術は完璧、絶対再発なんかしないから安心しなさい」との力強いお言葉を頂戴し、「ああ、これでもう大丈夫なんだ」と改めて小線源治療の有難さを実感した次第。

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

PSAは順調に低下、治療に関しては岡本先生から太鼓判を頂いているので、日常生活の中でガンを意識することは殆どない。
術後1年ほどして、若干の排尿障害と夜間頻尿の症状が出たが、ユリーフを処方してもらい、気にならない程度に改善。男性機能は衰えながらも維持できている。

患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?

私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。


大阪 K.K

大阪 K.Kさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。
また、あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

小線源単独│藤田医科大 愛知 Norick

小線源単独療法の体験談 愛知 Norickさん

お住まいの地域:愛知県

治療を受けるまでの経緯は?

2013年人間ドックにてPSA値2.1
この年から毎年少しずつ数値が上がり2018年にはPSA値4.063に。役所からの要精検用紙が届くも4.0以上でひっかかるんだから・・・と放置。数ヶ月後 2度目の通知で「そんなに?!」と気になり市内の総合病院を受診。触診・エコー・MRI・CT・・・すべて問題なし。 
その後、経過観察すること1年、たまたま、その日の担当医が市大病院から来ていた先生が「気になるから一度 市大病院で検査を受けてみませんか?」と。

2020年3月 市大病院にてMRI再検査を受けるも見つからず。
それでも先生が「最後に生検を・・」と。金儲けか?と疑らなかったわけではないが まぁそんなに言うなら、、と入院検査。その結果、グリソンスコア3+4=7 「癌です」 『 ガーーン!』というジョークから始まった癌治療でした。

当初は 先生に薦められるまま その市大病院でのダヴィンチによる全摘出を希望し、術日の予約を入れ帰宅。ただ”尿漏れは ほぼ覚悟、1日1枚のパット使用は尿漏れ換算外” 的な説明に憂鬱となり意気消沈。。 
その晩、妻が見つけた このホームページで小線源治療なるものを知り先生に相談。幸い他への転移もなく、前立腺外への浸潤も認められなかった為「適応できるでしょう、ただここではできませんので転院を」と言われた。

次に選んだ病院は藤田医科大です。コロナ禍ではあったものの ほぼ1ヶ月後2020年8月には小線源単独手術を受け今に至る。

 治療前PSA:4.177
 グリソンスコア:3+4=7
 陽性率:17%(生検 12本中陽性 2本)
 T分類:T1c
 診断時年齢: 60歳
 触診の結果は?: 無
 治療年: 2020 年8月

治療後にどう感じましたか

治療予定の方は現在の気持ち

治療後、別段 身体に変化もなく驚くばかり!
3泊入院で4日目の退院日 営む葬儀社が少々忙しく 迎えの車から降りると即 中程度の肉体労働の現場作業に加わり社員一同を驚かせ 笑いまで取りました

現在の経過、伝えたいことなど

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

2020年 8月 小線源単独治療
2020年 9月 PSA 2.911
2020年 11月 PSA 0.810
2021年 2月 PSA 0.709
尿漏れは1度も無し 排尿困難も無し 術後3ヶ月~5ヶ月ほど尿意切迫感があるも6ヶ月を迎える頃にはそれも軽減
何も問題なし! というか半年で 癌であることすら忘れてしまう事がある状態。
まるで自覚なし。

男性機能は、、、 少々の勃起力低下。 ただ、この年齢ならば歳相応・・といったところでしょうか。精液量に違和感あり。

患者さんへの質問:
もし、時を遡れたとしたら、同じ治療を選びますか?

私は 「はい、この治療を選びます」と答えた。


愛知 Norick

愛知 Norickさん、インタビューへの回答ありがとうこざいました。もしこの回答内容を変更したい場合は、再度ご記入いただければ、差し替えさせていただきます。

投稿後、藤田医科大の小線源について、もう少しお話をお聞きすることができました。ありがとうございます。

泌尿器科の担当医は深谷先生とのことでしたが、藤田医科大の小線源治療における手術は泌尿器科医ではなく、放射線科の主導で進められているようです。

放射線科:伊藤先生による小線源単独治療ということですね。
治療の1ヶ月ほど前に行われるプレプランではカテーテルの挿入もなかったとのこと。
治療前日から入院し翌日に治療。麻酔は下半身のみのサドルブロック、というのは他院同様一般的です。
藤田医科大における小線源の 処方線量及びV90、留置した線源数、前立腺体積など詳細はお聞きになっていないとのことでした。
シードの挿入後に、ハイドロゲルスペーサが使われているのが新しいところです、これにより直腸に予想される放射線障害をより抑えることができます。

一口に小線源(LDR)と言っても、それを実施する病院によって治療内容に少し違いがあります。小線源は、もともとはアメリカの医療機関で開始され、それがアメリカの医師の指導によって日本に導入されたものですが、その時点では完成されたものではなく、低リスクがせいぜいという治療法だったようです。
その後、理想的な線量分布ができる可能性に気づいた複数の医療機関において研究され、対応できる範囲を中間リスク、さらに高リスクへと引き上げていったという経緯があります。このため小線源での、中間リスク、高リスクへの対応は医療機関によって、少し違いがあると考えるのが自然です。

いずれにしても、非常に高い線量を局所に照射できるという特徴は、どの医療機関にも共通するところであり、他の治療法にない優れた特徴です。

小線源単独│東京医療センター 埼玉 ken

前立腺がん治療を経験された方の体験談 埼玉、ken さん

がんが見つかったきっかけは?

・人間ドックでPSAを初めて検査した結果、7.1と再検指示があった。
・その後、近隣の市営総合病院で血液、触診、MRI等の検査を行ったが、MRIで影があるということで、生検に進み、結果、12本中1本で陽性。限局性の前立腺がんとの診断。
・小線源治療を選択し、東京医療センターに紹介依頼。5月に小線源単独手術。現在、経過観察中。

 PSA:7.1
 グリソンスコア:3+3=6
 陽性率:8%(生検12本中陽性1本)
 T分類:T1C
 診断時年齢:55歳
 触 診: 異常はありましたか?⇒なし

あなたは、どの治療を選びましたか?

・PSA、グリソンスコア、陽性率から低リスクという診断であり、治療の選択にあたっては、監視療法、切除手術、放射線治療、ホルモン療法という選択肢とメリット、デメリットを提示された。また、すぐにどうこうという話でもないので、ゆっくり考えて良いという話であった。

・事前に当サイトをはじめとするネット情報、その他で勉強しており、小線源に傾いていたが、会社の診療医(そこそこ偉い医者で医療相談に乗ってくれる)に相談したところ、「診断結果からは自分であれば小線源治療を勧める。切除手術も良いが、手術の侵襲度合、副作用は小線源より大きい。監視療法は年齢から積極的治療に移行する可能性が大きい。ホルモンは消極的治療だし、費用も高い。」というかなり明確なアドバイスをもらったので、小線源治療を選択。
・治療実績の非常に多い東京医療センターに紹介してもらい、小線源単独手術を実施。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、
男性機能はどうなりましたか?、教えてください。

・手術自体は生検と同じレベルで大きな問題はなかった。
・これまで2回のチェックを受け、PSAは3.8⇒2.1と低下。ただ、当面下がることより、5年後、10年後がどうかがポイントと言われている。
・切迫尿等、排尿関係の副作用を心配していたが、手術前と「なんとなく違うな」という違和感はあるものの、生活に支障の出るような問題は生じていない。
・まだ術後半年未満なので何とも言えないが、入院期間の短さや副作用の少なさからは、良い選択だったと思っている。
・男性機能は、機能は維持されているが、勃起能力の弱体化、精液の減少等、相当減退した。(精液については、ユリーフの服用をやめるまでは出なかった)


埼玉、ken

国立病院機構 東京医療センター 公式サイト – 泌尿器科

小線源療法が国内で開始された当初は、この治療はPSAおよびグリソンスコアが低い低リスクや中間リスク症例のみが治療対象と考えられていましたが、長期のデータでは高リスク症例においても良好な成績が得られており、小線源療法が高リスク症例においても有効な治療法であることがわかってきました。
国立病院機構 東京医療センター 公式サイト – 泌尿器科

インタビューへの回答 ありがとうございます
癌と言われたときは、もはやこれまでか、と思いましたが、
前立腺癌は、治療の選択を慎重にすれば,元気で生きられる、これをみなさんに伝えたかったのです、じじ..じぇんじぇんがんへの投稿ありがとうございました。

 

 

 

 

 

小線源単独│埼玉病院 カズハル

前立腺がん治療を経験された方の体験談 カズハル さん

がんが見つかっって、どんな治療を勧められましたか?

結石ができやすい体質だったため、毎年泌尿器科の病院で定期検査の際にPSA値も測定していた。半年でPSA値が1ポイント上昇したので生検を受けたところ、癌が見つかった。
その時の主治医から、前立腺がんの治療法には様々な方法があり、それぞれ一長一短があることの説明を受け、どこでも紹介しますと言われた。自分でも必死で情報を集めた。

 PSA:5.0(治療開始直前で6.0)
 グリソンスコア:最初の病院で3+4、治療を受けた病院で3+3
 陽性率: %(生検 12本中陽性1 本)
 T分類:T2a
 診断時年齢: 61歳
 触 診: 異常はありましたか? 無し

あなたは、どの治療を選びましたか?

小線源単独(国立病院機構埼玉病院泌尿器科門間先生)

この治療法に決めた理由
 体への負担が少ない、諸機能が温存できる確率が高い。治療効果は手術と遜色ない。アメリカでは前立腺がんの治療に関しては放射線治療が主流、など。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?

治療後の経過
 2018年で治療後8年目。治療直後から切迫尿だけ続いているが、必ずしも治療の後 遺症のためではない?(加齢の影響?)。2時間程度でトイレに駆け込む状態だが、自分でコントロールできるので、薬は一切飲んでいない。
男性機能
 維持されている。但し勃起はするが精液はほとんど出ない。ただ最近少し出るようになった。精液は前立腺以外でも多少作られているからかもしれない。


カズハル

インタビューへの回答 ありがとうございます
あとで私のコメントをここに記入させていただきます。

小線源単独療法│滋賀医大 愛知K

前立腺がん治療を経験された方の体験談 愛知60歳、KK さん

がんが見つかったきっかけは何でしょう

 市の健診で要精密検査となり、地元の総合病院で生検を受けがんが見つかりました。

検査結果
PSA: 7.9
グリソンスコア: 7(3+4)
陽性率: 30%(生検は10本中3本で陽性)
触 診: 大きさ、硬さとも異常なし
年 齢:60歳
リスク分類: 中間リスク

どんな治療を勧められましたか?

 地元の総合病院の先生からは、手術(開腹・ダビンチ)、外部照射、小線源治療の3つの治療法の概要とその先生の手術(開腹手術)の成績について1時間程度説明していただきました。手術後再発した場合は放射線治療が可能だが、その逆はできないので、手術の方が戦う武器が多いという言い方で、やんわりと手術を勧められました。
 この時点では、初診から約2か月経っており、自分なりに調べて、小線源治療を受けることに決めていました。

あなたが選んだ治療法は?

 初めて地元の総合病院を受けてから生検実施まで約3週間、その後がん確定まで約3週間あったので、この間に本やインターネットで治療法について調べました。

 治療の候補として、最初は開腹手術を考えましたが、ダビンチという遠隔操作の手術の方が体への負担が少ないことがわかり、手術ならダビンチでと思いました。
 粒子線治療は尿漏れの心配もなく体への負担がもっと楽だということがわかりましたが、前立腺は常時動いているので粒子線がきちんと当たらない場合があるとの話を聞いてやめました。外部照射は、健全な臓器への照射が避けられず、感覚的に嫌だったので最初から選択外でした。

 購入した本の中に「前立腺ガン最善医療のすすめ」という小線源治療に関する本がありました。それによると、手術の場合、摘出しても断端陽性であれば再発してしまう可能性があり、それは切ってみないとわからないとのことで、手術に不安を感じました。また、小線源治療は手術よりも体への負担が少なく尿漏れもないことから、この治療が最もよいと考えました。

 それからどこの病院で受けるかを決めるために、愛知県でその治療を行っている病院4か所、「最善医療のすすめ」の中で紹介されている病院から通院しやすい病院を3か所選んでホームページで実績等を調べました。
 その中で、滋賀医科大のホームページでは小線源治療に関する詳細な説明が記載されており、また一般的な施設に比べて線量が高いため再発率がきわめて低い旨の記載があったことから滋賀医科大で治療を受けることを決め、岡本先生にメールでお願いしました。
 なお、滋賀医科大についてはこのサイトの情報も大いに参考にさせていただきました。

その治療法に決めた一番の理由は何でしょう

 小線源治療を選択した一番の理由は、再発の観点です。医学的には手術、外部放射線、小線源治療ともに同等とされているようですが(※ 1)、手術の場合、せっかく大きな身体的負担に耐えても、断端陽性であれば再発する可能性があるということが一番の不安でした。また、小線源治療は体への負担が少ないこと(具体的には、体を切らないこと、尿漏れがないこと、入院期間が短いこと)も大きな理由です。

 治療は3泊4日で、2日目に線源刺入、3日目にカテーテル抜去でした。私の場合、カテーテル抜去後は自力で排尿できたにも関わらず、退院日の朝、尿が出なくなり、看護師さんに見守られながら自己導尿するはめになってしまいました。稀にあるようですが・・。

退院後は愛知県まで、家内と交代で車を運転して帰りました。退院後10日ぐらいは、股間が腫れた感じで座ると多少痛みがあり、またおしっこの勢いが弱くなりました。これらは放射線の影響ではなく会陰部から針を刺したことによる影響だと思います。3週間後くらいからおしっこが近くなったような気がします。また、勢いは弱いままでこのあたりは放射線の影響かと思います。
1か月後に2時間の映画を見に行ったところ、30分くらいで尿意を感じ心配しましたが、なんとか最後まで見られました。また、1か月半後にスキーに行きましたが、特に支障はありません。
 普段の生活に不便はありませんが、長時間トイレに行けないような状況は避けるようにしています。先生からは放射線の影響は治療後1年ぐらいで収まると聞いています。

あなたからみなさんに伝えたいことがありますか。
差し支えなければ治療後の男性機能についても教えてください。

 今の段階では滋賀医科大でこの治療を受けられたことに満足しています。将来のことはわかりませんが、何かあったとしても、選択した時点では最良の方法を選んだと考えています。

 男性機能については、治療後10日位は全く元気がありませんでしたが、そのうちに、朝立ちするようになりました。治療の結果、前立腺の細胞が精液を作らなくなると聞いていたので出してみましたが、出そうな感覚はあるものの何も出ず、変な感覚でした。
 このあたり、人によって大いに感じ方に差がある所ですが、「まあ、しゃあないなー」と思っています。

愛知県 KK


愛知県 KKさん、インタビューにお答えいただきありがとうございます。

 ※ 1 医学的には手術、外部放射線、小線源治療ともに同等
中間リスクまでならそう説明されることもあるんですね。じゃ、どの治療法を選んでも同じ治療成績なのかと言うと、医療機関ごとの技量のばらつきがありますから、そんなことはないわけです。

 小線源単独だと治療後の痛みや排尿への影響が強いようですね。私は外照射併用小線源のためか、小線源では気になるような症状はありませんでした。

男性機能についての話、ありがとうごいざいます。私も小線源手術からしばらくして、試してみたら同じでした。しかし、小線源手術後に服用を開始した薬、ユリーフ錠(4mg)の影響かもしれません。ユリーフは排尿困難を改善する薬として処方されているのですが、副作用として射精障害があるとされています。私はある程度排尿の障害が改善した段階で、その副作用が少ないフリバスに変えてもらいましたが、まもなく服用をやめたためその効果はわかりません。
不思議なことに前立腺摘出手術をした方でも、射精感があると聞きました。小線源の場合も時が経てば、そのうちいける、んじゃないかと思います。

小線源単独療法│滋賀医大 kickoff

前立腺がん治療を経験された方の体験談 kickoff さん

大阪53歳 小線源単独から1年10ヶ月

がんが見つかったきっかけは何でしょう

 自覚症状等は全くなく、人間ドックでPSA値の高値を指摘され、大阪の病院で生検を受け前立腺がんと診断されました。

検査結果
PSA: 4.89
グリソンスコア: 7(3+4) T2bN0M0
陽性率: 31%(生検13箇所のうち4箇所に癌あり)
年 齢:51歳
リスク分類: 中間リスク

どんな治療を勧められましたか?

 生検を受けた大阪の先生から複数の治療方法を説明頂いたあとに「手術の後に放射線はできるが放射線の後に手術はできない。癌に対する武器は多い方がよい。手術で切りましょう。」と言われました。その時は納得し先生にお任せするつもりでした。

あなたが選んだ治療法は?

 告知を受け一度はロボットによる全摘手術に決めていたのですが、やはり再発、尿漏れ、男性機能等について、不安で不安でしかたくなく数日間、家に閉じこもりインターネットで体験談等を読み続けていました。
 そんな時、滋賀医大のホームページを発見し、正直あまり期待せず岡本先生にメールしました。すると間もなく先生から返信を頂き、それから色々な質問をさせて頂きましたが、その都度丁寧に回答を頂きました。
そして、滋賀医大で小線源治療を受けました。

その治療法に決めた一番の理由は何でしょう

 滋賀医大岡本先生との何通ものメールのやり取りで、かなり心は小線源に傾いてはいたのですが、初診時に色々な説明をして頂き、体験者の方と直接お話しする場を設定して頂いたりし、かなり現実味を帯びてきていましたが、それより何より先生から「絶対に完治します」と心強いお言葉を頂いた事で心は決まりました。

小線源治療後のPSAの推移
2014年
  1月 小線源治療 (治療前 4.910)
  2月 5.273
  4月 2.893
  7月 2.989
  10月 2.106
2015年
  1月 2.510
  4月 2.080
  7月 1.493
  10月 2.001

バウンスを繰返し、中々1.0以下にはなってくれませんんが、岡本先生から「今のPSAは全然気にしなくてもいいですよ。5年後に笑える治療をしてますから。」とおっしゃって頂いてますから、気にしないことにしています。とは言え、下がった時はやはりうれしいですけどね。

あなたからみなさんに伝えたいこと

 小線源治療は治療中も痛み等は全くなく、治療後に会陰部の軽い痛みにより座る時には円座の座布団を使用しましたが、10日目ぐらいからは排尿も含め何の問題もありませんでした。その後も日常生活に大きな支障を伴うものは特にありません。

 小線源治療の侵襲は生検と変わりないと思います。私の場合は生検の方が治療後の副作用は大きかったです。生検後二日目に尿道カテーテルを抜いたのですが、その後数日間、排尿時に激しい痛みがあり、充分な水分補給どころか怖くて水分が取れませんでした。又、麻酔の副作用で今まで経験したことのないような頭痛にも悩まされ一週間寝ていました。
 この経験から滋賀医大での小線源治療におけるカテーテル抜去後に恐る恐る排尿したのですが、少し血尿があるものの全く痛くありませんでした。勿論、麻酔による頭痛もありません。たかがカテーテルと思われるかもしれませんが、先生が細かいところまでいかに患者の身になって治療して頂けるかの違いであると思います。

 生検の大阪の先生もセカンドオピニンの話をしてくださったり人当たりも良く好感の持てる先生でしたが、「手術のあとに放射線・・・・」「排尿時の痛み等副作用は人それぞれで違うから」等の言葉は非常に寂しい限りです。
 私の選んだ小線源治療が正解だったのかどうかは、今後の経過次第で分かりませんが、色々な情報から自分自身で治療方法を選び、治療して頂ける先生とめぐり合えたのですから後悔はないと思います。

kickoff

治療後の経過をお寄せいただきました 2018年1月28日

先日、小線源治療後4年目の検診に滋賀医大へ行ってきました。
PSAの数値は0.218と順調に低下しているとのことでした。
ここに至るまでには何度かバウンスを繰り返し、多少不安な時期もありましたが、その対度岡本先生から「今の時期のPSAの上下は関係ない。5年後に笑える治療をしているので問題なし。」と、いつも強く言って頂き、その言葉を信じ何とか安心して4年過ごせました。
本当に有難く思っています。
岡本先生の治療で私のように治療後も安心して過ごせる患者が増えることを祈るばかりです。

kickoff


kickoffさん、インタビューにお答えいただきありがとうございます。
「手術の後に放射線はできるが放射線の後に手術はできない」と言われると、どうしても手術に気持ちが傾きますよね。ロボットによる全摘手術は体の負担も少なく機能温存にも優れるとされますから、手術はどんどんロボット支援の方向に進むのでしょう。しかし私は手術自体の不安よりも”手術すれば本当に根治できるのかどうか”が一番不安でした。
 
kickoffさんは小線源単独治療ですね。PSAの推移を興味深く拝見しましたが、なかなか下がらないものなんですね、それでも気にしなくて良いという先生の言葉通りなんでしょう。
最後に、こちらの不手際で、たいへん掲載が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。