東京医大でダヴィンチ、6年後にPSA再発

前立腺がん治療を経験された方の体験談 シリュー さん

がんが見つかったきっかけは?

健康診断の腫瘍マーカー検査(オプション)でPSA:8と分かりました。
50才を過ぎたら腫瘍マーカー検査を勧められており、52才での発覚でした。
最初はピンと来ず、3か月後にかかりつけの近所の町医者で血液検査をする際に、チョッと気になった為にPSA検査もお願いしました。
結果はPSA:20で近所の東京医大病院の出先機関にすぐに行くように紹介状を渡されました。一通りの検査後、内視鏡または開腹手術を勧められましたが、医師との会話の中で新宿の東京医大ではダヴィンチによるロボット手術を先進医療(今では保険対象)で行っている事を知りました。

 PSA:初見で8、検査時で28
 グリソンスコア:7~8
 陽性率: 100%(生検 12本中陽性 12本)
 T分類:
 診断時年齢: 51歳
 触 診: 医師の触診では硬い感触ありと言われました。

あなたは、どの治療を選びましたか?

ネット検索で放射線治療や陽子線、更には小線源治療も知りましたが、ガンを体内に残したくないのと、仕事上術後の回復を急ぐ(2011年3月11日の東日本大震災直後の入院)事からロボット手術を選択しました。
癌の確定診断が2010年12月27日、セカンドオピニオンが2011年1月7日、入院が同年3月14日(震災直後)、ダヴィンチ手術が3月16日(余震の中)。
約10日間の入院と、一週間の自宅療養後、会社にせかされて仕事に復帰しました。
確定診断から入院までの約3カ月間は、ネット情報を頼りに、自分の病状と今後の事を必死に学びました。ザクロジュースが良いと聞いて取り寄せた事もあります。周囲は家族も含めてこの病気に知見も関心も無く、ただただ孤独感にさいなまれました。
そんな時に、体験者の方々のブログには大変励まされました。

治療後の経過、感想など自由にお書きください

差し支えなければ、男性機能はどうなりましたか?

男性機能は当然、不能となりました。朝一の「おはよう!」が無いのは少々寂しいですが、当初より理解していましたので、ショックはありません。
術後5年を無事に経過し、PSA検査も半年毎になって安心しましたが、6年目の春にPSA値が上昇し、生化学的再発となりました。これは精神的にキツカッタですねぇ。
ホルモン療法で3カ月毎に注射をしましたが、突然の発汗等々の副作用には往生しました。
1年間のホルモン療法を終え、ここ半年程は無事に過ごしています。
今年の9月に定年を迎えましたが、それまでは尿漏れパッドを着けて勤務していました。尿意を感じてから、我慢出来ないまでの間隔が短く、またすぐにトイレに行けない勤務状況だった為、パッドは必需品でした。
今はパートの仕事を探しながら、精神的にも安定し、コメントを書く余裕も出てきました。


2019年5月26日 00:23 後日談

2018年4月の時点でホルモン療法を終え、2019年4月現在でPSA値は0.01未満を維持しております。
ホルモン療法中は、ホットフラッシュに悩まされましたが、治療終了後半年で、症状のも収まりました。
3ヶ月毎のPSA測定・診察は続けていますが、終活もスタートしようと考えています。寿命が見える病気で良かったと、この頃は考えるようになりました。
次に数値が上がった時、再度ホルモン療法を含む治療を行うか、それとも行わずに寿命を全うするか、そんな事を考えはじめた今日この頃です。


シリュー

インタビューへの回答 ありがとうございます
6年目に再発とはたいへんな思いをされましたね。PSA再発に対して「1年間のホルモン療法」とのことですが、ホルモン治療はいわば特効薬のようなもの、良く効きますね。しかしいずれは効果が薄れる日がくるようです。手術における生化学的再発に対しては、再度の根治を目指す救済放射線治療がありますが、検討はされましたか?