これまでは、PSAと聞いてもピンとこないばかりか、
前立腺の正確な位置さえ知りませんでした。
検査の結果は”高悪性度の前立腺がん”
PSAが基準値をわずかに超え、すぐに検査したのに、
なんで「根治が難しい」という話になるのか・・?。
じじ..じぇんじぇんがん
トリモダリティ体験記
これまで記憶に残るような病気もしなかったので、なんとなく「自分は癌にならないのではないか」と思っていました。しかしそんな根拠のない自信は失われ、前立腺癌が現実となった。しかも「根治が難しい」とされたのだが、この「難しい」をどう解釈すべきか悩んだ。つまり困難なのか無理なのか・・、いずれにしても「これからどうなるんだろう?」という不安でいっぱいでした。
朝、起きたばかりの時など、視点の定まらない目で見た景色に「これは夢で、夢から覚めたりしないものだろうか」と何度も思いました。
医師から勧められたのは結局「摘出手術」だけ
癌告知に続いて、先生から”ダヴィンチや放射線、粒子線”など、いくつもの治療法の説明を受けたのですが、それらは前立腺がん治療の一般的な話だったようで、「悪性度が高いので私には放射線治療は適用できない」と言われたため、結局のところ勧められたのは「摘出手術」だけでした。
実は、この時は私も「癌など手術で切ってしまうに限る」と思っていましたから、癌が手術で摘出できる程度の進行度と知りほっとしました。しかし、これからの一生に関わる決断ですから、簡単には決めてしまうわけにもいきません。誰かに相談しようにも詳しい人は身近にいない。そんな中で、それ以外にも多くの治療法があることを知ったのはGoogleの力です。
手術と放射線は同等の治療成績とされる・・ん??
私は、医師から放射線療法は適用外とされましたが、Google検索で調べてみると高悪性度であっても放射線療法が適用可能らしい。しかも”手術療法と放射線治療の治療成績は同程度である”と説明されているサイトもある、しかし同等などどいう都合の良い偶然があるとは思えない。”どちらが優れているか一概には言えない”というだけだろう。
では、なぜ私に「全摘出手術」が勧められたかと言えば、担当医は高リスク前立腺癌に対する手術療法に研究熱心な先生で、この病院では”高リスクの場合でも、手術療法のほうが放射線療法より成績が良い” (※1)からという理由のよう。
※1 その後治療中に出会った多くの患者さんに、告知後の話を聞いてみると、ほとんどの方が「全摘を勧められた」とのことでした。
「手術療法と放射線治療の治療成績は同程度であると説明する」
「まず摘出手術を薦める」というのが泌尿器科医のお約束のようだ。
しかしながら担当医の「摘出手術が良い」という提案に嘘はないだろう。自信を持って勧められると「はい」と答えて先生に全てを任せたくなる。・・と言うのも、もうどの治療法にすべきか考えるのに疲れてしまって、考えなくて済むなら精神的に「楽」になれるから・・。
医師の勧める治療法が最良なのだろうか?
しかし・・手術で本当に完治するのだろうか?、という肝心なところがわからない。私の場合、最初から「根治が難しい」と言われているし、少し調べただけでも、高リスクに対しては放射線療法が勧められる、というような情報もみつかるではないか・・
ここで、良く考えてみる、
例えば、担当医は他の病院に「より優れた治療法があること」を知っていたとしても、それを患者に言うだろうか?
言うかもしれないが、もし・・自分が勤務する病院に「高額な治療システムがあった」としたら、たとえそれに実績がなくても立場上それを勧めないわけにはいかないだろう。
しかしそれ以前に、泌尿器科の医師であっても専門外(例えば多様な放射線治療)の治療成績については案外知らないのではないか、と感じることもある。
・・・結局のところ、医師は「患者を完治させること」を最優先とした治療法を勧めてくれるのだろうか?ということが疑問だった。そうあって欲しいと思うが、甘い考えかもしれない。きっと医師にだっていろいろと事情があるのだ。
そう考えると、
”医師の言葉は絶対ではない”ということに気づく。
これは私にとって衝撃だった。
これまで、漠然と医師は「患者の病気を直すこと」を最優先に考えていると思っていたが、よく考えればそうとは限らないのだ。
結局・・・「治療法は自分で探すほかない」
あたりまえのことなのかもしれないが、そう、思った。
本当に摘出手術をしなくても大丈夫なのか?
私は悪性度の高い癌であると診断された。そして「根治は難しい」としながらも、担当医からは当然のように「全摘出手術」を勧められました。根治できないかもしれないのにとりあえず摘出、再発したら放射線でなんとかする、という提案に「はいそうですか」と納得するわけにはいかないのです。
私は、いろいろな治療法を調べた末に、担当医の意見に逆らってまで「放射線治療」を選びました。後戻りできない重大な決断だけに「がん治療のプロである医師の意見に逆らっても本当に大丈夫なのだろうか」という大きな不安がありました。・・・この気持、つまり、摘出しないでも本当に「放射線で癌を消滅させられるのだろうか?」という疑問は治療開始直前まで持っていました。そこで、その疑問を払拭するためにも、「手術療法」についても詳しく調べています。
この前立腺癌体験記について
前置きが長くなりましたが、ここでは、私が前立腺癌と診断されてから治療を受けるまでの経緯を中心に綴っています。普通は、治療後の経過を中心に前立腺癌闘病記、あるいは闘病ブログなどとするところでしょうが、私の場合は、治療法が決まった段階で、気持ちは随分と軽くなっており、長期間の治療であっても闘病という感覚はまったくありませんでした。
← この若葉は、最近「癌」と知らされた方への解説です
前立腺癌を告知された時、進行して転移したりしないかと怯えてました。おそらくみなさんも、同様の不安を抱えていることでしょう。
しかし、この治療を通して知ったのは、前立腺癌の転移はそう簡単に出現するものではないようだ、ということ。高リスクであっても、たとえ治療を1ヶ月遅らせたくらいでは根治性に影響は「ない」と考えて大丈夫。また、中間リスクであればなおさらで「2,3ヶ月後に治療を考えよう」でも、まあ問題は起きない。
肝心なのは、治療を急ぐよりも、その選択にこそ時間をかけ、再発が最も起きにくい治療を受けることです。治療前から「術後の再発を心配するのはおかしい」と思われるでしょうが、再発原因の多くは初回治療に起因するものなのです。
「根治が難しい」は医師の言い訳だと考え、「根治が当然」という気持ちで頑張ってください。 もし”難しい”と言われたらその医療機関では無理と言っているに過ぎません。
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命の危機、あるいは男としての危機なのだが・・
癌であることを、周囲に知らせるかどうかという問題もある。男性機能、あるいは命を失う可能性さえあるという深刻な問題であるため、近所や親戚のほとんどにも知らせないことにした。それでも「前立腺癌くらい大丈夫、きっと治りますよ」などと言う人も出てくる。何を根拠にと言いたいところではあるが、悪意ではないだけに腹立だたしくても反駁できないので困る。
実は、このがん治療の話も、ネットで公開するつもりは全くありませんでした。だって、”人の癌の話など誰も興味はないだろう”と思ったからです。しかし入院中に担当医から「納得できる治療を受けたのなら、その経験を伝えるべきではないか」と言われ、それならば前立線癌と告げられた方への情報提供として書こうと思い、入院中のベッドで急遽このブログを作りました。皆様よろしくichiです。
知るのが怖いからと言って・・
決めた治療法に迷いはあるが、癌の話は聞きたくないという方もいます。・・その気持ちはわかりますが、それではいつまで経っても不安は消えません。前立腺癌の治療法をよく理解することで、解消できる不安も少なくないのです。
ここでは、それを考えるための情報も詰め込んであります。
- – では、次からが本編です、時間をかけてじっくりと御覧ください。
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